日々是好日

死ぬまでハッピー!

D-room12がはじまるよ


D-room12がはじまる。

私にとってそのはじまりは、新しい年の幕開けと同義だ。
再三言っていることだけど、D-roomは大樹っちゃんのファンとしての総まとめであり、新たなスタートでもある。
特別なのだ、このバースデーイベントは。

私には、応援している俳優さんが他にもいる。
応援と言っても、出演作を1回は観に行って、たまにリプライをして、たまにお手紙を書く、それくらいのことだけど。
予定を空けて観に行く劇団も、スケジュールが合えば観たいなあと思う俳優さんも、いる。
私の世界には、大樹っちゃんだけじゃない。
それでも、こんなに切実に、必死に好きでいるのは、大樹っちゃんただひとりだ。

大樹っちゃんは今年も、夜中とか、朝方に「寝る」とかツイートしてて、寝る間も惜しんでとはこのことだなあと思ったりしている。
みんな喜ぶんじゃないかなあって、みんなに楽しんでもらうためにって言った声が、ずっと耳に残っている。
私を動かす原動力は大樹っちゃんだけど、それは逆も然りなのかもしれない。
自惚れでもなんでもなく、ファンは愛されているなあと感じる。
俺のこと好きなひとが好き!っていうよりも、愛には愛で返そうとするひとなのかなあって思う。感謝の波で溺れそうになる。いつも。

D-room12がはじまる。
はじまる、はじまる、はじまるよー!
なんでこんなにわくわくするんだろう、ドキドキするんだろう!
毎年恒例の阿佐ヶ谷のお部屋で、大樹っちゃんに会えるのがほんとうに嬉しい。
5日間ずうっと、大樹っちゃんがたくさんの愛を浴び続けてくれますように。



今日も佐野大樹さんが世界でいちばんかっこいい。
ああ、楽しみだな!



お花の話

 

 こんにちは!! 芸術の秋ですね!!

 推しが世界一かっこいい秋ですね!!!!!

 

 

 こちら、世界一美しい演出家と名高い佐野大樹さんです。

 

 久々に役者のみで携わっていた舞台「恋するアンチヒーロー」が幕を閉じ、休む暇もなく推しは次の「トラベルモード」のお稽古をしているようです。

 本当に、推しを追いかけているとノンストップで幸せが押し寄せてきます。こうやって本番を待っている間すら楽しくてたまらないもんな・・・推しのファンでよかった・・・。

 

 

 さてさて、今日はそんな推しへの感謝を具現化する方法のひとつでもある「祝い花」についての記事です。

 祝い花、私は贈るのも見るのも大好きです。デザイン考えるの楽しいし、小物とかオッケーなら独創性に富んだものを作ってもらえるし、華やかかついい匂いのロビーは居心地がいいし。

 推しの現場はお花の受付ない場合がほとんどなんですが、オッケーのときは出すようにしてます。受付ないだろうなって予想しててもデザイン考えちゃう・・・そして本番1週間前の公演のお知らせを読んでハンカチを噛む。。

 

 そんなわけで少ないですが、今まで出したお花を紹介していきます!

 

 

【ご町内デュエル】

 

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 初めてのお花。

 再演だったので、推し演じる危ないおにーさんの衣装に合わせて黒と赤を基調にオーダーしました。なぜか関西のお花屋さんを利用。友達が出してたお花がちょうかわいかったので・・・。実際、対応もよかったし満足してます。

 入れてもらった赤いガーベラの花言葉は「常に前進」「限りなき挑戦」です。推しにぴったり。

 

 

心霊探偵八雲 裁きの塔】

 

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 初スタンド花~! 受付が大阪会場のみだったので関西のお花屋さんに依頼。前回とは違うところですが。

 推し演じる石井刑事の個人的イメージが水色とか紫だったので(澄んでて理知的な感じ)基調にしてもらって、そこに白や青を混ぜてもらいました。

 「ミスター八雲」にふさわしいようにと、この作品の象徴でもある八雲の赤い右目をイメージして、右側に赤いリボンを結んでもらいました。オープニングで赤いリボンを使用していたことと、今回でこのシリーズは終わりだけれどご縁が結ばれていくように、という意味合いもこめて。

 全体的には、クランクアップのときにもらう花束の代わりになればいいなあと考えて贈りました。立札に役名も入れてもらえたので満足です。

 

 

【まわれ!無敵のマーダーケース】

 

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 鉈。

 発砲スチロールとクラフトペーパーと銀色のポスカがあれば鉈を作れます!!!推しが殺人鬼を演じることになった皆さまはぜひ!!!!

大学の食堂で工作してた段階では「これ大丈夫なのか?」と不安でしたが、スタッフさんキャストさんからも評判が良くてうれしかったです。私は血だまりの赤色が気に入っています。

 札(カード?)も手作りしたのですが、センスなさすぎて友達といっしょに考えました・・・ありがとう・・・。

 

 

【恋するアンチヒーロー

 

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 最新ですね。初めて制作サイドからお花屋さんを指定されましたが、きれいに作ってもらえて嬉しかったです。

 ラブコメだし可愛くても許されるだろう・・・と、白基調にオレンジのバラをちょこっと入れる感じにしてもらいました。幕が開いたら、推し、悪の戦闘員役だったけど。

 オレンジのバラの花言葉は「信頼」、5本で「あなたに出会えてよかった」という意味になります。バラがハートになってるんですけど、日に日に萎れていくのが切なかったです。

 真ん中のにゃんこは推しがダブルキャストのうち猫チームだったので付けてもらったんですが、悪の秘密結社の名前が「シャムニャーン」だったので好都合でした。

 そしてなんとこの公演のあと、こんなツイートが。

 

 

 お花に対してお礼を言ってくれたのははじめてで、ぼろぼろ泣きました。

 感謝されるためにやっているわけではなく、むしろ伝えたいからお花として形にしているだけなんですけど、こうやって「ありがとう」と受け止めてくれるやさしさに、改めて「好きだなあ」と感じます。うれしいなあ。

 

 

 以上、お花まとめでした。

 年内はなさそうですが、また贈れるといいなあ。

 お花にこめた、ありがとうや好きや楽しかったや嬉しかったという気持ちが、ぜんぶぜんぶ、ふんわりと届いていきますように。

 余談ですが、今後利用してみたいお花屋さんはアンドフラワーさんです!(完全に某氏の影響)

 

 

 

 そして、兎にも角にも。

 

 

年明けが近いぞ!!!!!

この冬も阿佐ヶ谷*1でぼくと握手!!!!!!!!!

 

 

*1:まだザムザ阿佐谷とは言ってない

劇場で神様に出会った話

 

 暗転する。

 す、と引くように声が消えた客席で、私は息を潜めている。

 高鳴る心臓を抑えながら、ゆっくり、目を閉じて、開いて、を繰り返す。ひとつの儀式みたいなものだ。開演前はいつもこうする。自分と空間の境目が溶けていくのを感じる。

 次に照明が差し込んできたら、物語が始まる。私は、そこで神様に会う。

 

 

 

 好きな小説の、とある台詞がある。

 

「人間には誰でも、大好きで泣かせたくない存在が必要なんだって。

 君が生きているというそれだけで、人生を投げずに、生きることに手を抜かずに済む人間が、この世の中のどこかにいるんだよ。不幸にならないで」

 

 辻村深月さんの、『子どもたちは夜と遊ぶ』下巻、エピローグでの台詞だ。

 この言葉を口にする彼は、そしてこの大好きで泣かせたくない存在の必要性を教えた彼は、ふたりとも人生に絶望ほど濃い感情すら湧かず(あるいはもう過ぎ去ってしまって)、ただゆっくりと諦め、流れるように生きていた。だけど、こういう言葉を、感情を向ける存在に出会ったのだと言う。

 この本を読んだのは、私が13歳のときだった。その頃の私は、まだ自らのアイデンティティも掴めず、なんとなく自分がいつも置かれるポジションだけ理解し始めていた。

 大好きな台詞。大好きなシーン。大好きな作品。だけど、きっと私にはこんな風に言える人間は現れないのだろうな、とぼんやり思った。私はひとりでも手を抜かずに生きていけるし、くらいの感じだった。少しばかりの切なさと、諦めと、憧れが、この台詞を読み返すたびに蘇る。

 あの頃の自分に言ってあげたい。そういう存在は本当に必要だし、あなたも出会えるよ。

 

 

 

 19歳になった。

 その頃、自分の薄情さと諦め癖にもう気づいていた。家族も友達もその他の関わるひとびとも、もちろん好きだけど、一線を引いてしまう。感情移入ができない、したくない。心を揺らされるのが嫌いだった。とことん何かをやって、裏切られるのが怖かった。薄情になりたかった、が正しいのかもしれない。そういう自分に辟易しながらも、諦め続けた。鏡を見るたびに、お前が嫌いだなあ、と思う日々だった。

 

 受験を終えた私は、一本の舞台を観に行くことを決めた。

 高校生の終わりごろに縁あってDVDを観た演劇ユニットの、その中でも「好きかも」と思った役者さんの出演舞台だ。舞台なんて、学校行事で劇団四季を観たくらいだった。

 本は好きだけど映画やドラマを観るのは苦手で、自らの集中力に些かの不安を抱きながらも、はじめて自分の意思で「劇場」に向かった。安くないチケットを握り締めて、同行してくれた友達にお目当ての役者さんの特徴を教えながら。

 先着販売のチケットを張り切って取ったらなんと最前列で、戦々恐々としつつ席に着いた。だんだんとボリュームが大きくなる音楽に反比例して、照明は落ちていく。暗闇に飲み込まれた客席で、私は目を閉じた。開いても黒、閉じても黒、だけどその色は少しだけ違う。本の表紙を開くような、物語に足を踏み入れるような感覚だった。

 

 

 暗転が明けると、彼はもうそこにいた。息を呑む。

 捲し立てるように喋って、舞台上を隅から隅まで走って、思い切り倒れて、叫んで、笑って、怒って。感情の高ぶりが激しい役を演じていたから、なのかもしれない。圧倒的な熱があった。こちらまで肌がぴりつくくらいの、膨大なエネルギーだった。

 いつの間にか固めていた膝の上の拳を、ぎゅっと握る。すごい。わけがわからなかった。舞台という、そのままの意味で「生きた」芸術にも圧倒されたが、それとは別に、彼の持つ炎に巻き込まれていた。

 このひとは、今この瞬間に、命を燃やしてるんだ、と思った。彼が演じていた役は、酔っ払って記憶を無くし、知らぬ間にいろんなトラブルに巻き込まれる、わりとその場しのぎで生きる男だった。だから、「彼の前後」は存在しないのだろう。彼には、その役には、「今」しかない。本当に、このまま舞台の上で死んじゃうんじゃないかと心配になったくらいだ。

 このひとみたいに、必死に生きてみたい。なぜだか痛烈にそう感じた。そうしたら、好きになっていた。落ちるように、貫かれるように、大げさではなく、目の前の色が変わった。

 私の世界に、神様が生まれた。

 

 

 役を脱いだ彼は、向上心が高く、チャレンジ精神にあふれ、作品のために厳しく尽力できて、他人を褒め感謝し言葉にもする、やさしくて明るいひとだった。

 彼を観たくて劇場に通い、グッズを買って、お手紙を書いて、プレゼントをして、お花を出す、そういう自分を、最近ちょっとずつ好きになってきた。その時間は、私にとっても大切で、「正しい」ことだから、鏡を見ていられる。本当に、とてもすてきなひとを応援していると心から思う。

 

 私は、あの本の彼のように壮絶な人生を歩んできたわけではないけれど、でもわかるよ、と今なら言える。

 大好きで、泣かせたくないとはちょっと違うけど大切で、ファンとして胸を張っていたくて。人生を投げず、手を抜かずに済む存在。私にとっては指針で、救いだ。心を揺らされることも、頑張ることも、執着することも、感情を寄せることも、本当は怖くない。

 神様を得て、変わってきた人生の途中、私はいま毎日が楽しい。きちんと生きている。きちんと生きていく、これからも。

 

 

 

 2014年6月18日。東京芸術劇場シアターウエストで、WBB vol.6『そして、今夜もニコラシカ!』を観て、佐野大樹さんに出会った話。

 

 

頑張る推しの話

 

 頑張る、って難しい。

 頑張らなくちゃって思っても、どうしても手を抜きたくなってしまう瞬間があるし、なんでこんなに気を張って努力しなくちゃいけないんだろうって投げ出したくなってしまう。

 それでも頑張って、頑張って、頑張って、結果が出ないこともある。他人に馬鹿にされることもある。自分から見たら頑張ってないと思えるようなひとが、ひょいっと美味しいところを持っていくことも、ある。

 頑張ることは難しいし、頑張ろうって自分を奮い立たせることもわりと大変だ。

 なんで頑張らなくちゃいけないんだろう、頑張るって意味のあることなのかな。

 

 

 推しは、「頑張る」という言葉をよくつかう。

 頑張ってるよねえ、って評されるひとだ。努力のひと、積み重ねのひと。推しを知るひとたちは、口を揃えてそう言う。それはファンだけじゃなくて、関係者の方々も。

 

 

 何かを背負うって、ものすごく重たくて、推しはその想いを軽んじるような人ではなくて。

 なんというか、責任感が強いのだろうと思う。頑張らなくちゃ、と自分に喝を入れて、その通り行動できるひと。だからきっとみんな、推しに自分の想いを託す。

 私はこの推しの「頑張る」内訳をすべて知っているわけではないけど、演出家として、プロデューサーとして、ひとりの演者として、舞台をイベントを作品を作り上げる上で、その仕事量は並々ならぬものだろう。

 放り出したくならないんだろうか。嫌になる日とか、ないんだろうか。だからと言ってはいやめますってできる世界ではないけど、推しは「頑張ります」「踏ん張ります」「一歩一歩進みます」と言って、どかんと大きな作品を作り上げ、その舞台上で「たくさんのひとに支えられました」と笑う。

 自分に厳しくて、物事が成功すればそれは他人のおかげだと言えるひとだ。

 

 

 約束するみたいに、「頑張ります」と口にする。

 しかもそれはデタラメではなくて、むしろこんな言葉じゃ追いつかないくらいの苦労や努力が伴っているのだろう。頑張る、頑張ります、頑張ろう。推しが言うたび、なんだか眩しくて、私は泣きたくなる。嬉しいとか、悔しいとか、そういうのぜんぶが混じって、どうしようもなくなる。

 推しを見ていると、「頑張る」って正しいんだ、と思う。まっすぐ走ろうとしてくれる推しが、何の衒いもなく口にする言葉。それが当たり前なんだと言うように、たったひとつの手段だというように。

 「努力した者がすべて報われるとは限らん、しかし成功した者はすべからく努力しておる」が座右の銘の推しは、その頑張りがひとつ残らず結果に繋がるとは思っていないのだろうけど。それでも、現実を受け止めながら、失敗するのも勉強になると真剣に語りながら、推しは「頑張る」と言う。

 私は、頑張って、頑張って、報われないのが怖いし、かっこ悪いこともしたくない。頑張らないとできないことなんて、手を伸ばしたくない。って思ってた、のだけど。

 自分のできないことから目を逸らさず、あの大きな瞳を爛々と燃やして努力を重ねる推しのかっこよさや、美しさや、明るさや、正しさに、救われた想いがした。頑張っても大丈夫なんだと思った。それと同時に、わたし、頑張りたかったんだなあ、と気づいた。

 勝手ではあるけれど、推しが「頑張ります」と言うたび、「頑張れ」と言われているような気持ちにもなる。それは押し付けやプレッシャーではなくて、私が足を前に出すために必要な後押しで、ふわりと心を梳く肯定だ。 

 

 

 

 

 7月にはWBB、10月にはトラベルモードが待っている。どちらも演出だ。全身全霊をかけて。真摯に全力で。推しはいつでも、頑張ることを宣言してくれる。その言葉に一点の嘘もないことを、私は、私たちは知っているし、心の底から信じている。

 推しが「頑張る」と言うたび、もう頑張っていることはわかっていても、「がんばれがんばれ」と心の中で呟いてしまう。それはもっと頑張れと負荷をかけたいわけではなくて、ただ、頑張ろうとしてくれる推しのその力が、絶えてしまいませんようにと、祈りたいのだ。

 悔しいこと、しんどいこと、苛立ちや焦燥感も、ぜんぶ、どうか推しのエネルギーに変換されますようにと願ってやまない。そして、それ以上の幸福が、頑張った先に絶対にありますように。

 

 私も推しを見習って、今日も「頑張る」と声に出す。

 手を抜きたくなっても、投げ出したくなっても、「推しも頑張ってるんだよなあ」と思えば自然と背すじが伸びる。しゃんとしなくては、と思う。それは強迫観念ではなくて、私がなりたい自分になるための魔法だ。

 よし、頑張ろう。私の人生に佐野大樹さんがいてくれてよかった。

 

 

SniTs vol.2/This is the greatest show!

SniTs vol.2

期間:4月20日~22日

劇場:ザムザ阿佐谷

 

 

 さて。

 気づけば、千秋楽からもう1週間以上経ってしまった。

 4月を迎え、社会人となった私は、日々の研修でへろへろになりながらSniTsさんと会える3日間を目指し、たくさんの力や光を浴びて、また現実と闘う毎日に戻っている。

 言葉にするのが難しいくらい、ただただそのパフォーマンスに圧倒されるショーだった。

 推しこと佐野大樹さんと、その相方・土屋佑壱さんのコンビ。期間限定ユニット、SniTs。その結成は1年前。

 1年前のSniTsのショーがすごくすごく楽しかったから、今回も相当期待して行ったのだけど、そんなハードル見えないみたいにひょいっと超えられて、びっくりしてしまった。ぽつぽつと記していこうと思う。わりとポエム。

 

 

 

 オープニングダンス、小学生コントを含む4本のコント、トーク、パントマイム、そこからのダンス、エンディングダンス。

 以上が今回の大体の構成だったわけだが、転換の最中に着替えも行ったり小学生コントは7割内容が毎回違っていたりと、ふたりの「リアルタイム」を追えるショーだったような気がする。

 

 かっこいいも可愛いも面白いも詰まったオープニング。ド頭からエンジン全開でばっきばきに踊ってくれたのも嬉しかったし、女子アイドルの曲でかわいいお顔を作る39歳男性ふたりにめろめろになった。推し、猫みたいだったな。でも途中でふざけるし、相方のぶりっこに引いた顔するし、そういう風に笑いを誘うところが好き。

 流行りの曲も含め、ジャンルばらばらにいっぱい、ぽんぽんスピーディに踊っていってくれるから、ずうっとわくわくしていた。その中でも、懲悪ダンスだけが変わらず残っていたことがまた、嬉しくて。あのステージに立つふたりは「恋塚さんとオーメン」ではないはずなのに、紫のジャケットやきんきらの靴や眼鏡、黒い衣装にサングラス、白塗りのお顔が見える気がして、なんだか泣きそうになった。私が推しと土屋さんを意識しだしたのはやっぱりあの作品だし、何があっても特別で、曲がかかればあのプレイハウスの空気を思い出す。オリエンタル劇場で聴いた最後の鐘の音を思い出す。その曲を、ダンスを、ふたりも大切にしてくれてるんだろうか。

 初日、推しを観るのがほんとうに久々で、少し緊張していた。いつもドキドキはしてるのだけど。ギャングアワー千秋楽でゲスト出演していたとはいえ、がっつり1時間も推しのパフォーマンスを観るのはD-room以来で。幕が上がって、推しがそこに現れて、ライトを浴びる横顔を見て、全体的にびしびしと直線で動くダンスに首と腰の曲線的なアクセントを見つけて、ゆびさきまで行き届いた熱を感じたら、ほろっと涙が出た。嬉しいとか、幸せとか、楽しいとか、そういうのぜんぶ引っ括めて、「私はこの人が好きなんだなあ」と気づいて泣いていた。

 こうやって、はっとする瞬間がある。好きなことが当たり前になってるわけじゃないけど、呼吸をするように「好きだ」と思ってしまうし、自分の構成要素の一部みたいになってるのは事実なんだろう。その中で、唐突に、自分のいちばんはこの人なのだと痛感するときがやってくる。誰かと比べて、とかそういうことじゃなくて、いちばんだし、唯一なんだと思う。こんな風に、落ちるみたいに好きという感情を突きつけられるひと、推し以外にいない。

 土屋さんがぱあっと笑顔を浮かべて踊ってる横できゅっと唇引き結んで真剣な表情してるのも、激しい振りをしながら目を思いっきり瞑って「頑張ってるよ」って顔するのも、可愛いお顔とバチバチに冷めたお顔を1曲の中で使い分けるのも、口角上げてえくぼ作って目を爛々と輝かせるのも、ぜんぶぜんぶ、踊りの型や身体表現だけじゃない推しのダンスの要素で、それを観るのが好きでたまらない。星屑を散らすみたいに踊るひとだなあ。

 きらきらの紙吹雪に降られながらとびっきりの笑顔を浮かべる推しを観て、このために生きてるなあ、と思ったりした。光なんだよなあ。きれいなもの、明るいものが似合うひとだし、私にとっては常に推しが主役だ。

 オープニングの時点でチケット倍額出したいのにまだまだまだまだ楽しい時間は続くから、SniTsさんはすごいんだよなあ!!!

 

 コントは4本。

 小学生コントの暴走っぷりが凄まじかった。あの距離で観るだいきくん、恐怖でしかない。お客さんみんな推しのこと好きなはずなのに、だいきくんが客席を見渡すとスッと視線を落としていくの意味わかんなくてめちゃめちゃ面白かった。目いってたもんね。でも、だいきくんのときの推しはすごく楽しそうではじけてるので、私はとても好きです。今回も無茶ぶりキングで最高でしたね。相手が土屋さん、ゆういちくんでよかった。だいきくんのこと本当に小学生だと認識してるし130センチくらいだと思ってるから(?)、近くまで来たときに肩幅が広かったり右耳にピアスホールがあったり喉仏が出ているのを見つけると、ドキッとしますね(???)

 あと、特筆したいのは最後の『騒』。コントなんだけどちょっと怖くて、でもやっぱりバリバリに笑えて。みんな、自分の推しが足首を鎖で繋がれてるところ見たこと、ある???? 私は初めて見たけど、最高すぎて震えました。土屋さんが黒幕かもって疑惑が出てきたときの「嘘だろ・・・」大好きだったなあ。高く上擦ったり、かすれたり、震えたり。明るくて光の似合う推しだけど、怒りや絶望といった負の感情を滲ませるのも天才的なんですよね~~!!! がちがちに役を固めているわけではないけど、その場の心の動きが見えてぞくっとした。一瞬で空気を掴んだり変えたりする推しのお芝居が好きです。最後ずっと「なんでやね~ん」「もうだめだあ~」って繰り返し言ってるの雑すぎてめちゃめちゃ笑いました!!

 

 今回いちばん印象強かったのが、パントマイム!

 鞄を重たそうに持ち上げたり、ホームラン打ったりボウリングしたり、海に行って水かけ合ったり、かと思えばビームや銃弾が飛び出したり死んじゃったり生き返ったり。確かな技術の高さが必要になると思うんだけど、そこにコメディ要素をふんだんに盛り込んでくるからあっさり笑いながら観られるのが気持ちよくて好き。推しも土屋さんも動きが大きくて表情もコミカルにわかりやすく作ってくれるから、無声でも伝わってくる情報が多くて面白かったなあ。推し、銃を構えるとき土屋さんに比べてにこにこしてるの可愛かった~。

 そしてひょんなことから手がくっついて離れなくなっちゃうふたり、に繋がっていって。ふたりが手を剥がそうと奮闘したり、それでも仕方なく過ごしていく中で絆を深めていく様子が愛おしかった。関係ないけど、割り箸を噛んで片手で引っ張ってぱきっと割る推しハチャメチャかっこよくて頭抱えそうになったな。

 そこから『This Is Me』に合わせて踊るふたりがきれいで、あまりにもまっすぐで、圧倒されるってこういうことなんだなあと思った。すごかった。オープニングのダンスとはまた違って、苦悩や葛藤や解放をテーマにしているのかなと感じる表情やゆびさきでの表現に息を呑んだ。声なんて聞こえないし言葉もないのに、ふたりの感情がエネルギーになって伝わってきて、肌を叩いて、心臓を直接掴まれたみたいな気持ちになった。

 曲の途中、手が離れて、白い光のなかで踊る推しが笑顔を浮かべていることに気づいた瞬間、鳥肌が立った。いつもの人懐っこい笑顔とは違う、開放感から思わず滲んでしまったみたいな、晴れやかな笑みで。抑圧していたものが解き放たれた瞬間を、こんな顔で踊るんだと思ったら、もうたまらなかった。何も考えられなくて、ただ目の前の熱を受け止めて抱きしめるだけで、その切迫した感じが心地よかった。感動ってこういうことなんだろうなと思う。心が動くって、理屈を挟めないってことなんだろう。

 

 エンディングまで、楽しくて楽しくて。にこにこ手拍子をしながら、推しの楽しそうな笑顔を見ながら、ステップのひとつひとつに焦がれながら、なんだか幸せだなあって思った。何回も、何回も思った。終わってほしくないから寂しいのに、とことん楽しく最後まで彩ってくれるから、いつもぜんぶの音楽が終了してふたりが袖に消えてからはっとしたものだ。本日は誠にありがとうございました、と声を張り上げて頭を下げる、推しの美しさや正しさに貫かれるエンディングだった。最初から最後までダンスで始まりダンスで締める、そのエンタメでパッケージングするところが本当に好き。1秒も余すことなく、あの時間は「ショー」だったんだよなあ。

 

 

 ふわふわと振り返ってしまったけれど。こうして書いてると、終わったんだなあ、なんて他人事みたいに思う。もう推しは次だったりもっと先に向けて、走り出しているのに。私も自分の生活を生きているのに。

 夢みたいなショーだった。私が推しを好きな事実とか、理由とか、意味とか、いろんなものを教えてもらえるような、思い出させてもらえるような。もう私の記憶の中にしかないはずのあの3日間は、それでも、宝物みたいに消えなくて、ずうっと支えになっていくのだろうと思う。

 本当に、本当に、楽しかった。そればっかりだった。どんなことをしたらみんな喜ぶんだろうって、シンプルにそれを考えてくれてることが伝わる、SniTsさんが好きだ。いつか3回目があるといいなあ。

 

 

 「SniTs vol.3初日、おめでとうございます!」と言える日が待ち遠しいです。

 どうか、実現しますように!

 

 

卒業した話

 

 日記のような。

 

 

 推しを、じゃないです。そりゃそう。

 大学を、バイト先を、サークルを、先日卒業してきました。ぜんぶ。

 大学生は4年間で終えること。そんなの入学したときから、もっと言えばその前の高校中学小学校のときから決めていたはずで、22歳のこのタイミングで社会人になるためにいろいろと事を運んできたはずで。それなのになぜか、不思議な気分だ。

 今年は1日が日曜日だから、4月2日を境目に、私はがらりと変わる。カテゴリが変わる。見られ方が変わる。私はなんにも変わらないのに。それを気持ち悪いとも悲しいとも思わないし、むしろわくわくしている部分もあるのだけど。

 だけどやっぱり、不安なんだろうな、と思う。変われるのかな、変えられるのかな、変わるってなんだろう。

 

 

 大学4年生の3月から6月末まで、就活生だったときも、私は推しのファンだった。

 1年生の初夏にはじめて推しを観て、2年の春から気が狂ったように通いだして、なんだかんだ、私はずうっとこうしている。毎回毎回これが最後かもしれないって思いながら千秋楽を観て、ああまたここに来れてよかったと安堵しながら、初日、客席に座る。

 持てる力の限りで推しを観てきて、もうすぐ3年。まだ3年。ほんのわずかな時間だな、と思う。だけど、大学生活の大半を捧げたんだなあと思うと、なんだか長い道のりだったような気もする。あの春、私はきっと今も推しの未来を見ていることなんて想像していなかった。

 就活のピークは6月前半だった。推しの出演舞台『心霊探偵八雲 裁きの塔』の公演期間とがっつり被っていた。とは言っても、面接は基本的に平日の日中だったから特に支障もなく私は品川に通った。さすがに平日は東京にいようと大阪公演は土日のみに絞っていたのに、木曜にファン感謝イベントが決まって、もーいいや!推しの現場と重要な面接が被る企業とはご縁なんてあるわけない!って3泊4日決めたけど。大阪で御社と電話した。楽しかった。

 ひとつも諦めなかった、と思う。推しのことで自分の何かを疎かにすることも、その逆も嫌だった。背伸びして届くものならぜんぶ掴みたかった。推しと同じように。推しのこういうところに憧れてるんだな、と、就活中に何度も思い知った。

 今どき、絶対終身雇用ではないのかもしれない。就活はただの通過点で、それはわかってる。だけど、人生の節目だった、私にとっては。その岐路に立ったとき、推しのファンでいられてよかったなあと心から思う。推しは指針で、灯火で、道しるべで、とにかく、ずっと前を走ってくれる人がいるということは支えだった。

 

 

 ぜんぶ終わって、これからまたぜんぶが始まる。

 いやでも何かが変わる、変わってしまう、変えなくちゃいけない、変われるのかな。だけどきっと私は明後日からも推しのファンなのだろうと思うと、少しだけ救われる。

 推しのファンであることは、社会から与えられた身分でも、振り分けられたカテゴリの属性でも、勝手に貼られたラベルでもなく、私が私で選んだものだ。推しのお芝居が好きで演出が好きで、ダンスがピアノが歌がパフォーマンスが好きで、お顔や身体やその表現の仕方を美しいと思い、お人柄や考え方やお仕事への姿勢に憧れる、私が。

 いつか好きじゃなくなるかも、なんてどうでもいい。今の私が望まないそんな未来の話をしてもしょうがない。

 ただ、ほんの2日後、明後日も推しを好きなのだろうという予感があれば私はそれだけでほっとする。嬉しいと思う。変わらない、どころか、どんどん好きになっていく事実に、心の底から感謝している。

 推しの背中にわずかでも追いつけるように、頑張りたい。

 

 

 

 

 次に推しを観るときは、社会人だ。ついでにもうひとつ年も重ねている。初日、4月20日。どんな気持ちでどんな状態でどんな状況で推しを観るんだろう。でもきっと、好きなんだろうな。それだけでいいです。

 

 この春も、推しのファンとして迎えられることを幸せに思います。

 どうか、推しにとっても30代最後の春が、とびっきり幸せな季節となりますように!

 

 

ギャング アワー/今世紀の覇権『漫画』

ラ・セッテプロデュース「ギャング アワー」

期間:3月13日~3月18日

劇場:赤坂レッドシアター

あらすじ(東京音協公式ホームページより):

大金持ちの息子を誘拐したあるギャング団がとんでもない事態をもたらす?
スタイリッシュでクールなビジュアルで人気を博した作品

 (公式のどこを探してもちゃんとしたあらすじが載ってなくてびっくりしたんだけど、大金持ちの息子を誘拐したはずが間違えて平凡なサラリーマン家庭の息子を連れてきてしまったギャングがそれを隠したり、自分を変えようと頑張ったり、へたくそなお友達計画を遂行したりするお話です) 

 

 

 

 さて。

 こちらの作品は、2001年に*pnish*が上演した「パニックラッシュ」という作品が元になっているそうで(というかそれが初演という位置らしい)、「ギャングアワー」としては2011年の演劇集団イヌッコロ版、2014年のラ・セッテプロデュースに繋がり、今回はその再演となったようです。

 推しは前回に引き続き、演出のみで携わっています。今回は千秋楽で日替わりゲストとして出演もしたけど!嬉しかった!鈴木さんのブロマイドも欲しかったな!!!

 タイトルにもしていますが、舞台を観ているのに、漫画を読んでいるような感覚でした。キャラクターが強くて、はっきりとわかりやすい場面が多くて、見せ場では「ドン!」と効果音も響くし、照明はカラフルで華やか。だけど、緊迫感のあるシーンでは時計の秒針がただ鳴っていて、そのアナログさとのギャップがまたそれぞれの良さを際立たせていたような気がします。

 トップクレジットは田中役の木ノ本くんなんですけど、塩田さん演じる渋谷が主人公だとしたら、週刊少年ジャンプに連載してそうだなって思います。巻頭カラーで人気投票の結果発表するやつ。1位は鮫洲くんで2位は渋谷ちゃんで3位は三鷹さん、みたいな。連載決まらないかな~~~!?!?

 とにかく、一にも二にも、面白かった! それに尽きます。いや尽きないから感想書いてるんだけど。笑って、ドキドキして、愛おしさでいっぱいになって。こんなに焦がれる舞台、もしかしたら初めて出会ったかもしれない。それくらい好きになってしまいました。

 細かい感想書きます!

 

 

 

■鮫洲と渋谷

 最初からクライマックスだよ・・・・・・・・・。

 非道な人間になりたいと願ってギャングの世界に足を踏み入れたにも関わらず、自分を変えられず、他人へのやさしさを捨てきれない男、渋谷。常にスリルやそれによる刺激を求め、他人を殺したり蹴落とすことも厭わない男、鮫洲。

 そんなふたりが主軸にいるお話だな、と感じました。コミカルなオープニングでも、鮫洲くんと渋谷ちゃんには確執が見えるというか。ふたりの視線が交わったと思ったら、スポットライトが当たった鮫洲くんはゆっくり笑みを浮かべて、その光が渋谷ちゃんに切り替わった瞬間に後ろを向く。ふたりが同じ方向を向くことはないんだよなあ。

 

 鮫洲くんは、ルールとか信頼を重んじるチームのリーダー・三鷹さんのやり方に不満を抱いていて、彼を殺すことを渋谷ちゃんに提案するんだけど、最初はその目的のために利用しようとしているに過ぎないのかなとも思っていて。

 だけど、三鷹さんを殺すため鮫洲くんと手を組むことを決めた渋谷ちゃんに「俺たちいいコンビだと思うよ! これからは他人を蹴落として一気にトップまでのし上がろうよぉ!」って笑う顔が嬉しそうで、やっぱり本当に、『渋谷ちゃんと』コンビになりたかったのかなあと思ってた、ら。

 

 

 いや、しんど~~~~~~~!!!!!!!!!!!

 こちら、千秋楽の夜に投下された、脚本家・羽仁修さんによるツイートです。いや、ちょっと、しんど・・・・・・・・。

 鮫洲くん、本当に友達になりたかったんだって。人生で初めて、友達になりたいと思ったんだって。

 「俺、渋谷ちゃんだったらめちゃくちゃサポートするし!」っていう台詞、自分の計画に乗せるための甘い嘘だと思っていたのに、本当に支持するつもりだったなんて。私が嘘だと思ったんだから、鮫洲くんに不信感抱いてる渋谷ちゃんなんて100パーセント信じてないよ!!!悲しいな!!!

 

 観ながら、なんで鮫洲くんは渋谷ちゃんに執着するのかなって不思議だったんです。三鷹さんを殺すだけなら、他にいくらでもやりようはあったはずだし、この計画の途中で渋谷ちゃんを切り捨ててもよくって。それなのに、鮫洲くんは場を修正してでも渋谷ちゃんが人質ミスに巻き込まれることを待つし、「渋谷ちゃん早く撃っちゃってよ!」って叫ぶ。

 三鷹さんを陥れるために渋谷ちゃんを利用したんじゃなくて、渋谷ちゃんとコンビに、友達になるために邪魔な三鷹さんを消したかったんだなあ。

 渋谷ちゃんは実直で、部下にも慕われてて、力もあって。でも、やさしさを捨てられない自分に、悩んでて。そんな存在が、この仕事は俺の性に合ってると言い切れる鮫洲くんにとっては特異に映ったのかな。三鷹さんと同じかそれ以上に、鮫洲くんは渋谷ちゃんの実力とか素質を評価していたのだと思います。

 そんな自分とはかけ離れた渋谷ちゃんが、大事な上司を、チームを、自分自身を壊すところを見たかったのかなと思っていたし、今もその印象は変わらないけど、それに加えて、シンプルに「友達になりたかった」ってつらすぎる。

 鮫洲くんにとって渋谷ちゃんは人生ではじめて友達になりたいと思った相手だけど、渋谷ちゃんにとって鮫洲くんはおそらく人生ではじめて殺した(実際は未遂だけど)相手なんだよなあ。

 

 「渋谷ちゃんがリーダーだったらもっと上に行けると思うんだよね」って吹き込んだときも、「渋谷ちゃんのことは刺さないよ。渋谷ちゃんは僕の数少ない友達だ」って笑ったときも、渋谷ちゃんが銃さえまともに構えられないくらい震えてたら「結局おれひとりか」って到底敵わないとわかってた三鷹さんに向かっていったときも、渋谷ちゃんに銃向けられてるのに「三鷹を殺せばすべて上手くいくって」ってぜんぶひとりで片付けようとしたときも、いつだって、鮫洲くんの言動の起点には渋谷ちゃんがいて。

 ことごとく、甘いんだよね! 「手ぬるいねえ」って呆れながらも、渋谷ちゃんが止めたらホームレスさんを殺すことは諦めるし、邪魔した大崎くんは殺そうとするのに渋谷ちゃんが自分に銃を向けても三鷹さんをやろうとするし。でもなんかそういうのも、ぜんぶ、渋谷ちゃんの意思を尊重した結果だったのかな。

 鮫洲くんにとって、渋谷ちゃんは「友達」で、代わりのいる駒でも、命令して動かす手下でもなくて。だから、きっと人殺しを好まない渋谷ちゃんが、自分の意思で三鷹さんを撃つこと、鮫洲くんを選ぶこと、ギャングに染まること、いっしょに悪者になることを望んでたんだろうなあ。友達になりたいって思ったとき、自分を相手に寄せるんじゃなくて、相手を自分のところまで引きずり落とそうとするあたりが鮫洲くんの歪みだよなあ・・・。

 歪んでいても、倫理観とち狂ってても、鮫洲くんは紛うことなく「友達になりたい」と望んでいたわけだけど、渋谷ちゃんにはそんなのこれっぽっちも伝わってなかったのがな~~しんどいな~~壊れるほど愛しても1/3も伝わらない!!!!!*1

 

 渋谷ちゃん、三鷹さんにも鮫洲くんにも少なからず憧れていたと思うのですが。前者は尊敬で、後者は羨望であり畏怖であり嫉妬であり劣等感だから、そりゃあ相手が自分の力を認めていることになんて気づかないよね。鮫洲くんは友達アピール下手くそだし・・・。

 でも、他チームから脅威に思われてたり高田さんにも「なに話したらいいかわかんない」って言われたり赤羽や大崎にも恐れられてる鮫洲くんに、正面切ってぶつかってきてくれるのは渋谷ちゃんだけだったんだよなあ。自分にそういう劣等感が向けられてたこと、鮫洲くんももしかしたら気づいてなかったのかな。

 渋谷ちゃんに「なんでこの世界に入ったんだ? 教えてくれ!」って頼まれたとき、茶化そうとしたのにその真剣な様子に「そうだなあ・・・」ってきちんと考えて答えた鮫洲くん、すごくただの人間みたいな顔をしていて、『友達』に自分のことを聞かれて嬉しかったのかも、と思いました。

 

 渋谷ちゃんを三鷹さん殺害計画に乗っからせた決定打は、鮫洲くんの「自分の利益のために人を殺してみなよ。絶対に変われるよ」だろうけど、これに加えて、「俺はみんなの仲間に入りたいんだよ」って言って、渋谷ちゃんが可愛がってる赤羽や大崎=仲間を巻き込んだことも大きかったのかな。周りの人間みんな取り込んじゃえば、やさしい渋谷ちゃんは彼らを守らざるを得ないから。自分を変えたいっていうかねてからの願望も叶えられるし、鮫洲くんにとっては、渋谷ちゃんを確実に自分サイドに引き込める完璧な企てだったのだろうなと思う。

 「渋谷ちゃんには撃てないよ」という台詞からも鮫洲くんが渋谷ちゃんのやさしさを舐めてたのがわかるけど、それでも撃たれて、裏切られて、何を思ったんだろう。

 って考えてたんだけど、信頼や裏切りに重点を置いていない鮫洲くんは、もしかしたらそのこと自体はあまり気にしてないのかも。もちろん驚きはしただろうけど。でも、「人を殺せば人生が変わるって言ったのはお前だぜ」って言われて「なぁるほど」って笑った鮫洲くんは、少しだけ嬉しかったのかな、って思った。

 結果として三鷹さんを殺して渋谷ちゃんとトップに上り詰める計画は破綻してしまったけど、その根本にあった「渋谷ちゃんが人生を、自分を変える瞬間を手に入れる」ことは叶ったのかな、と。実際殺せてないけど、鮫洲くんは渋谷ちゃんの人生を変えたんだよなあ。確実に、大きな影響を及ぼした。

 

 三鷹さんとの決闘シーンでも、鮫洲くんはただ戦うだけじゃなくて、一回ナイフちらつかせて渋谷ちゃんを挑発するんだよなあ。あの場面、ちゃんと見ときなよって煽ってるようにも、臆病者って嘲笑ってるようにも見えたな。1公演だけ、悔しそうな不甲斐なさそうな顔で決闘を見てる渋谷ちゃんの元へ近寄った鮫洲くんがその肩をとんって手で落として、そのまま渋谷ちゃんが力なく座り込んだときがあって最高でしたね!!!!(思考力皆無)

 16日の公演からこのシーンが始まるときに「結局おれひとりかあ」って台詞が付け足されてたんだけど、それも切ないよね~~今までずっとひとりで生きてきたんだろうな、そんな人生ではじめて友達になりたいと思ったのが渋谷ちゃんで、コンビになるために結局おれひとりでも三鷹さんに向かっていって・・・瀕死に追い込まれながらも頑張って・・・それなのに勝つ寸前のところで撃たれて・・・いや、しんど・・・・・・(無限ループ)

 

 最後の「俺を敵に回すと怖いよ~?」はどういう意味なのかな~~~。鮫洲くんは渋谷ちゃんを敵と認定したのか、まだ『友達』になることを諦めていないのか。この友達の定義も、鮫洲くんの思考じゃ単なるハッピーフレンド☆って感じじゃなさそうだしなあ。今後、敵として渋谷ちゃんの命を狙っても、また自分のもとに引き込もうとしても、どっちでもいいなって思います。続編、観たいな!!!! 

 鮫洲くんと渋谷ちゃん、どうしたって背中合わせで交わることができなかったふたりが、切なくてしんどくて愛おしいです。とりあえずお友達計画は交換日記から始めよう。

 

 

■渋谷の開花

 この作品は渋谷さんの成長物語でもある、と始まる前に公式アカウントで紹介がありました。演出家である推しも「悩める男・渋谷」と書いていたし。

 渋谷さんは、「臆病で根性なし」な自分を変えるため、「トップにのし上がれるような横暴でずる賢いやつ」になるためギャングに入ったのに、なかなか変われない自分に嫌気がさしていて、その焦燥感がずっと伝わってくる役でした。大崎はそんな渋谷さんを「やさしくて思いやりがある」と言ってくれるけど、それじゃだめで。

 鮫洲くんがチームに入ってからは特に、彼に到底敵わない自分に悩んで、上に行きたいという気持ちが感じられない三鷹さんにも焦って。どこに行けばいいのか、どうやって進んだらいいのかわからなくて立ち往生してるみたいな、そんなひと。

 そんな渋谷さんは「自分の利益を追求するため」に鮫洲くんと手を組み、三鷹さんを殺すことを決めるけど、結局はその圧に怯んで銃を構えることさえできなくなって。鮫洲くんにナイフで刺すふりをされた直後も、三鷹さんと鮫洲くんの決闘を見てるときも、悔しさとか恐怖とか不甲斐なさとかいろんな感情でぐちゃぐちゃって表情をしてたなあ。

 ずっと「自分を変えたい」「人間は変われるって証明したい」って言ってた渋谷さんは、最後の最後でやっと「俺は変わるんだ!」って宣言することができて、この言い方がしっかりと言い聞かせるみたいな日もあれば、強く自分自身を奮い立たせるみたいな日もあって好きでした。肌がびりびりと震えるような、心の叫びだった。

 

 じゃあ渋谷さんはどう変わったのか、という話なのだけど。

 私は、彼がなりたいと言っていたような「横暴でずる賢いやつ」「自分の利益だけ追求する人間」に変わったわけではないと思います。というか、本質は変わってないと思う。ただ、自分の意思を見極めてそれを貫き通す力を手に入れたのかな、と。

 渋谷さんが欲しがってたのは、単純に他人に振るわれる外向きの力だけど、本当に彼に必要だったのは自分が何をしたいかと具体的に決めることができる内向きの力だったように思うし、三鷹さんもそれを知ってたんじゃないかな。裏切った高田さんを殴る渋谷さんに三鷹さんが小さく笑ってたの、好きだったな。

 

 最後、鮫洲くんに銃を向けた渋谷さんが何を思ったのか。私は、あれは衝動だったと思います。三鷹さんを守りたいとか、ひとが死ぬのを見たくないとか、鮫洲くんを殺したいとか、自分を変えたいとか、そういうのぜんぶ違ってて、でもぜんぶ含んでて、ただ、「このままじゃだめだ」っていう漠然とした衝動。

 変わったから撃った、というよりも、撃ったら変わった、のほうが近い気がした。あの銃声が、渋谷さんの殻が破れた合図だったような。行動が先にあって、それに変化がついてきたというか。

 あのあと、裏切った高田さんに「俺は変わったんだ。だから高田さんには負けないんだよ」って言ってホームレスさんの技をキメた渋谷さん、清々しく笑ってて最高にかっこよかった!!!

 高田さんを連れて行かせるとき「俺らを騙してたやつにきっちり吐かせて落とし前をつけさせる」って言う渋谷さん、自分だけの利益ではなく、『俺らのチーム』のことを考えてて、でもちゃんと甘くない手段も選べるようになったのだなあと思えました。

 

 渋谷さん、これからどんな道を進むのかな。

 っていう答えは、「一、トップまでのし上がる」しかないですよね。

 

 

■ギャングいろいろ

 愉快なキャラクターたちについてさくさく語ります! みんな大好き!

 

▼鮫洲

 まだ語るんかいって感じだけど、語るよ!!!!

 なんというか、家庭教師ヒットマンREBORN!雲雀恭弥さんを好きだった女はそりゃあ鮫洲くんに落ちるよね・・・・・・業の深さを感じた。

 まず、お顔がきれいすぎてびっくりした。佐藤さんのことを初めて観たわけではないのに、「鮫洲」としてそこに立っている姿があまりにも美しく、神聖で、邪悪で、触れたら切れそうな、致死量の毒を撒き散らす華のような。カーテンコール、毎回佐藤永典さんがこの世に生まれ役者という職業を選びギャングアワーに出演し鮫洲くんを演じてくださったことに感謝してました。

  「あら、渋谷ちゃんはお気に召さない?」って言う鮫洲くんの横顔がショッキングピンクのライトで照らされてるの、大大大正解で震えたな!!! 鮫洲くんという芸術品!!!!!

 鮫洲くんは他人との距離が近くて、パーソナルスペースにずかずか踏み入っていくけど、それも人懐っこいという印象ではなく、常に先制攻撃を仕掛けているような、凶悪で純粋なひとだなあと思いました。そこにいるだけで場を不穏にするような、周りの人間の力をごっそり奪っていくような。

 「自分の利益のために人を殺してみなよ」って渋谷ちゃんに吹き込むところ、纏わりつくみたいな、直接耳に流し込むみたいな言い方してるのが蠱惑的で好きだったなあ。言葉でゆっくり渋谷ちゃんを縛っていくのを感じた。すぱっと鋭い切れ味と同時に、ふんわり香る毒気も持ち合わせたひとなんだよなあ。

 アクションシーンの話。鮫洲くんは何発も体ぜんぶ使って拳を撃ち込んでいて、目潰しも仕掛けるし一度ナイフで刺した場所を執拗に狙うし、笑ったり思いっきり痛みで顔を歪めたり、とにかく勝ちに執着した戦い方をするんだなあって人間性に触れられた気がしました。三鷹さんの攻撃を両腕で防いで「この馬鹿力ぁ・・・!」って笑うところ、痛みさえも彼の求めるスリルなのかなとぞっとした。漫画だったら白目の中に小さく黒目が描かれているだろうな。トリップモードみたいな。

 最後に鮫洲くんの可愛かったシーンについて! 赤羽の真似してアラレちゃんの「んちゃ!」をソファに寝転がりながらやるところ、交渉うんぬんの話をしてるときにふわぁ~ってあくびしてるところ、三鷹さんに煙草の灰を落とされて飛び起きるところ! でも全編通してずーーーっと可愛かったし、大崎やホームレスさんに邪魔されてつまらなそうな顔してる鮫洲くんはめちゃくちゃ美しかった!

 本当に、大好きな役だったなあ。ずるくて、可愛くて、かっこよくて、しなやかで、美しくて、傲慢で、自由で、不器用で、いびつな。また会いたいな。

 余談ですが、佐藤永典さんのファースト写真集『いいかんじ。』、ポチりました。

 

▼渋谷

 全世界の女、渋谷ちゃんに恋するよな?????

 初日にずがんと落ちたのは鮫洲くんだったけど、徐々に惹かれていったのが渋谷さんでした。呼び名定まらないな。

 巻き込まれ体質で、世話焼きで、振り回されてばかりで、でも最終的にきちんと自分で選んで決めることができた渋谷さん。赤羽と大崎のことを見捨てたらきっとずっと後悔するって言葉にして、一度は切ろうとするのに結局助けちゃう渋谷さん。

 冒頭で「あいつらが失敗したらどうなるんですか?」って聞いて「処分ですか・・・」って呟く渋谷さん、自分が責任取らされることでも、きっとチームが格下げされることでもなく、赤羽と大崎が処分されることを心配してたんだろうなあ。三鷹さんはわかっていたみたいだけど。

 ギャングらしくなりたくて悩む渋谷さんだけど、大崎に向ける「サンキュな」がやわらかかったり、狼狽える赤羽に「大丈夫かぁ?」って笑う顔がやさしかったり、そういう素の部分が垣間見える瞬間にときめいたなあ。いい男力が高い。いろはすのオレンジ味飲んでるところはかわいい。

 あと、「おなか大丈夫すか!?」って高田さんに聞くところ死ぬほど可愛いよね。おなかって。鮫洲くんは「腹」って言うのに。育ちの良さが窺える。2回目の交渉電話が終わったあと、三鷹さんと高田さんが去ったのを確認してからよっっし!!って拳握るのも、突然の荒れた赤羽の登場に驚いて胸の前で両手握っちゃうのも、ぜんぶかわいい!

 渋谷さん役の塩田さん、とにかく日替わりゲストさんへのツッコミが上手くてびっくりしました。頭の回転が速い方なんだろうな。千秋楽、田中くんとまったく同じ格好して入れ替わりネタやって「あとは渋谷さんのセンスにお任せします」って丸投げした演出家さんに、「あ~~・・・どうしようこれ・・・」ってなってる渋谷さんめちゃめちゃ愛しかったです!!!

 

▼赤羽

 トップオブバカ(褒めてる)(大好き)。

 オープニングでナイフ舐めて「いってえ!」ってなってる時点でもう救いようのない清々しいバカだということがわかって最高。しかもこのあと一切ナイフ使うシーンないんだよ・・・。

 その場の勢いで生きてる赤羽さん、田中くんが人違いだってわかったら「よーしお前にあだ名をつけてやる、鈴木だ!」って言い出すし、コーヒーにマヨネーズとかいうすぐわかる嫌がらせして逆に飲まされるし、最終的に田中くんに完全にイニシアチブ渡しちゃうし、愛おしさしかなかった!!

 鮫洲くんと渋谷さんがシリアスな雰囲気醸し出してるところに「キーーーン、んちゃ☆」って走ってくる度胸、褒め称えたいよね。こんにチワワ!もめちゃくちゃ好きです。

 そんなコミカルでおバカな赤羽さんだから、自分や仲間の命のために三鷹さんを殺すって決めたときの必死さが切なかった。これは現実問題だ、って叫ぶの、胸にきたなあ。大崎くんを助けようとして鮫洲くんに銃を向けるのに実弾が入ってなくて、カチッカチッてただトリガーを引く音だけが響くあの時間も、耐えられないくらいつらかった。こういうの思い出すと、本当に鮫洲くんは渋谷ちゃん以外に容赦がないな。

 短絡的で、猪突猛進タイプで、ギャグも寒いけど、全力でやさしい赤羽さんが好き!

 

▼大崎

 この作品の良心。友達が「大崎くんはディズニープリンセス」って言ってて、わかる・・・ってなった。

 にこにこ笑顔が可愛くて、「思いっきり褒めてください♡」とか言っちゃって、出会ったばかりの田中くんのために自分のミスだからって始末される道すら選ぼうとして。大崎くん、なんでギャングになったんだろう。親とか友達のためなのかなあ。

 オープニングで逃げようとする田中くんの道を塞ぐときの大崎くんが好き!あの足をぱたぱたって空中でさせるやつすごくないですか!?

 鮫洲くんの「脳天にズドーーン!!」ではぁあぁって腰抜かすのも、田中くんの運転免許証見て崩れ落ちるのも、コメディを体現してるみたいで面白かったなあ。交渉電話でサムライになっちゃうところ、当たり前にみんな大好きですよね・・・相つかまつったーーーー!!!!! ここで渋谷ちゃんが携帯を耳から遠ざける顔も好きだよ!

 そして大崎くんといえば三鷹さんから銃を借りるシーン。いちばん最後まで反対してて、納得もしてなかったのに、殺害計画の決行の合図を任されるなんて残酷だよなあ。三鷹さんを呼びに行くときの、みんなが大崎くんを見てる時間、秒針の音が重々しくてこちらまで押しつぶされそうだった。誰よりも仲間を思いやって大切にする大崎くんが、震える手で銃を借りて泣きそうな声を出すあの場面、毎回つらかった。

 大崎くん役の橋本さん、とても誠実でやさしい方なんだろうな~ってカテコ挨拶とかSNSから窺えて、大崎くんにはそのお人柄も反映されてるのかもと思いました!

 

三鷹

 圧倒的に強かった~~~!

 そこにいるだけで威圧感があるし、見るだけ、近づくだけで相手を怯ませるオーラを持っているひと。そういう他人を従わせる何かに渋谷さんは憧れたんだろうなあ。

 ルールに厳しい三鷹さんだけど、赤羽が交渉やりたいって訴えたらやらせてあげるし、大崎くんに銃貸してあげるし、部下の意思を尊重してくれるいい上司なんだよなあ。信頼されること、よりも、信頼すること、を大切にしていたのかなという印象。

 鮫洲くんと勝負するまではわりとゆったりと気品さえ漂わせていて、物静かだったけれど、ひとたび拳を握るとやっぱりギャングチームのボスなんだなと思わせられた。鮫洲くんに比べて一発の重たさが段違いで、手数よりも威力で勝負という感じ。ソファで殴られてるとこも、最後に蹴りひとつで形勢逆転させるのがかっこよかったな~! 長い御髪をばさばさ揺らして一心不乱に闘う姿、どこからどう見ても強かったし美しかった・・・。

 最後の場面で、渋谷さんに「一、トップまでのし上がる」って言われて、ちょっと俯いて笑うところが好きだったなあ。心配もしてただろうけど、そのぶん、可愛い部下だったんだろうな。渋谷さんが自分を変えたことに呼応して、三鷹さんもなにか晴れたような気がした。

 あと、これは妄想なんですけど、お札を抜き身でポケットに突っ込んで管理してる三鷹さん、コンビニとかでお会計したらレジ横の募金箱にお釣りそのままぜんぶ入れて店員さんに「ありがとうございます~」って言われて会釈だけ返しそうじゃない?

 

▼高田

 あのねえ声が好き! シルバーのスーツとラメラメのストール、ピンクのネクタイを着こなすビジュアルも好きなんだけど、今回、とにかく声が印象に残ってるひと!

 「それってどうかな~って思ったんだけど、金がよかったからさあ!」が特に好きだったな・・・あっけらかんと、悪びれる素振りなんか一ミリもない清々しさ。作中でいちばんシンプルに生きてるひとかも。

 助けを求める田中くんの背中に銃突きつけて「殺すよ?」って圧のある声で言うとこ、私が理性のないオタクだったら殺して!!!!!!!って叫んでたもんな。渋谷さんと違って、本当に躊躇いなく殺しそう。最高。「次来たら確実に殺すね」も好き。

 がめつさ極めてホームレスさんにもらったもの食べておトイレに駆け込んだり、ずっとなにかもぐもぐしてたり、キュートな面も見せてくれる高田さんだけど、「僕みたいな何の才能もない人間」って言い切っちゃうところは切ないよな。悲観的に捉えてはいないのだろうけど。すべて金のため、って割り切れるのは強さなのかもしれないけど、これからも渋谷さんたちのチームにいるみたいだし、何か得る日が来ればいいな、とわずかに願ってしまう。

 

▼ホームレス

 圧倒されてしまった・・・・・・(CV:田中)。

 開演前にも、アナウンスが流れてくると窓の外をうろうろして世界に引き込んでくれていたホームレスさん。ずっとパン食べてるかと思ったら葉っぱをいじってる日があったり、千秋楽はひたすら窓枠のほこりをなぞっていて、「今日で終わりだから掃除してるのかな・・・」って友達とざわざわしてました。

 ギャングでもなく、その空間とは切り離された外部の人間として、でも強烈なインパクトを与えてくれる役だったなあ。田中くんとはまた別の意味でのカンフル剤というか。出てくると無条件で見ちゃうひと。

 大崎くんの代わりに交渉するシーン、「私も覚悟を決めたんだ!!!」が好きすぎて毎回めちゃくちゃ笑ってた。なんで一言なのにこんなに面白いんだろう。天才なのかな・・・。

 最後の「覆面捜査官だ!」って名乗るところ、初日はまんまとそうだったのか~~ってびっくりしちゃったなあ! 最初から最後まで映画の撮影って信じ込んでて、シリアスなアクションシーンもホームレスさんが「監督!リハなんだから本気でやらなくていいんだよ!血出てるじゃねえかよ!」って場違いな言葉を投げてくれるから、私たちも構えすぎず、コメディとしてこの作品を観ることができたんだよなあと思います。宥めるように「うん、うん!」「黙って」って差し込む田中くんも大好き!

 怪演、という言葉が相応しい、安定感も安心感もある最高の役どころだったな~! あの激しさ、クセになる!

 

▼田中

 究極の巻き込まれ青年・田中くん。誘拐されたと思ったら人違いで、そのギャング団の内部抗争にまで巻き込まれて。それなのに最終的にそのチームに入ることを決めちゃう、変わったひと。

 とにかく、田中くんに関しては、演じている木ノ本くんへの「この人はすごいな」が抜群に深まりました。追憶ダンスでもマーダーケースでもる年でも思ったけど、表情が豊かで動きがしなやかであることに加えて、見た目から与える説得力がとても高い。衣装のしわのひとつひとつまで計算しているのではと疑いたくなるくらい、すべてがきれい。ギャグめいたお顔をしていても、本人から気品があふれてるから気持ちよく観れるんだよなあ。

 なんでギャングチームに入ることを決めたんだろうって不思議だったのだけど。映画が好きで、悪役が好きで、そういう世界に憧れていた平凡なサラリーマン家庭に生まれ育った田中くんは、はじめて触れた圧倒的な非日常に魅せられてしまったんじゃないかなあと思います。あの日のどから手が出るほど欲しかった世界が、目の前にあったんじゃないかなって。だから、すべてを捨ててでも掴んでしまったんじゃないかなって。

 危険な場所を抜けることができたのに、ホームレスさん捕まえて説明して騙してわざわざ「助けに来たよ、大崎くん!」って再び戻ってくるの、並みの神経じゃないよね!? もともと大胆で恐れ知らずな素質があったんだろうな・・・。怖いけど自分を奮い立たせた、って感じでもなかったし。

 赤羽に「プロでしょ、信じてるよ」ってまっすぐ言うところ、プラーザの片鱗が見えてかっこよかった。渋谷さんとはまた違った求心力がある男なんだろうな。

 大崎くんと仲良しなの、かわいかったなー! 渋谷さんが協力してくれるってわかったとき、大崎くんとこっそり拳を合わせてて、ほんと卒倒するかと思った・・・サンリオじゃん・・・。これからも仲良しでいてほしいな。

 しかし田中くん、否、たまプラーザ、いつか部下ができて「プラーザさんはなんでギャングになったんですか?」って聞かれたら「それが間違えて誘拐されてさあ」って答えるの? 愉快すぎない?

 最後に、千秋楽カーテンコールで木ノ本くんが「田中は主役ではありません。全員が主役です。誰ひとり欠けてもギャングアワーではありませんでした」って挨拶していて、田中くんは主役ではなかったかもしれないけど、間違いなく、このカンパニーの座長は木ノ本嶺浩さんだったのだなと感じました。いろんなことを、しっかりと言葉にできるひと。このひとが軸にいたから、こんなにもすてきな作品になったのだろうと思います。

  

 

 

■演出家さんのファンとしての話

 冒頭でも書きましたが、今回、私は演出家さんのファンでした。いや2日目からは鮫洲くんのオタクも兼任してたけど。

 舞台に通ってる期間中、バイト先のひとにその話をしたら、「出演してないのにそんなに観るんですか?」って聞かれて、確かにな!?ってハッとしたくらい。劇場に推しはいませんでした。見かけることはあったけど、それもスタッフとしてただ歩いている姿で。

 役者として好きになったひとが、演出一本で携わる舞台を、私はどんな気持ちで観ればいいんだろう、どうやって受け止めるんだろうって。初日が明ける前、舞台公式アカウントのSNSにまったく姿を見せない推しを思いながら、どう観るのが正解なのかなって、少しだけ迷ってました。

 でも、それ以上にやっぱり楽しみで、このひとが100パーセント演出だけに力を注いで作る舞台ってどんなものだろうってわくわくして、その時間が嬉しくもあって。まあ、だからチケットもいっぱい取ったんですけど。

 幕が開けたら、すべて杞憂でした。ギャングアワーは最高に面白かったし、推しはそこにいました。さっきいないって言ったじゃんって話なんだけど、いやもちろん舞台上に物理的に存在してはいなかったんだけど。

 でも、舞台を観ている間、推しのお芝居だったり、見せ方だったり、理想とするものだったり、表現してくれるものだったり、そういう、「推しの演劇」をひたすら、ずーっと感じました。

 演出って、そのひとの頭の中身が透けて見えるようだなあと思います。そのひとが面白いと感じるもの、信じてるもの、とか。それを余すことなく受け取れる舞台でした。

 ただ「お芝居を観られない」んじゃない、推しのお芝居を知っているからこそ、大好きだからこそ、演出作品から伝わってくる何かもあって。そういうの抜きにしてももちろん楽しいんだけど、私が大好きな推しの「表現」が見えて、気づいたらぼろぼろ泣いてる日もありました。

 本当に、本当に、ひたすら楽しい日々でした。演出家さんのファンってこんなに楽しいんだってびっくりした。私は推しのことが好きだけど、それ以上に、推しの作り出す空間が好きなのかもしれない。それはイコールに近いけど、ちょっと違う。

 役から受け取る感情、シーンから伝わる熱、照明や音楽のタイミング、色、雰囲気、ぜんぶ、推しが先頭切って作ったもので、この作品の隅々までそのこだわりが行き届いてるんだと思ったら、幸福でどうにかなりそうでした。

 私は客席から、舞台上に向かって拍手をしていたけど、その音が、気持ちが、劇場のどこかに常にいた推しのところへも届いていたらいいなと、願ってやみません。

 

 最後に。

 ギャングアワーは、推しの所属事務所、ラ・セッテによるプロデュース公演でした。事務所のマネージャーであり、プロデューサーでもあった星さんによる、ホームページのブログに書いてあった文章がとてもすてきだったので、抜粋して掲載します。

 でも全文読んでほしいな! ここから読めます!

 

lasette.net

 

ラ・セッテ プロデュースなんて書いていますが、うちなんてほんとに小さい芸能事務所なんです。大きな会社ではないですし、舞台の制作会社でもありません。
それなのにこんなに立派な公演を行う事ができたのは、みなさまのお力添えあっての事なのです。そして、佐野大樹さんのおかげなのです。
大樹さんとは、かれこれ10年以上お仕事をご一緒していますが、毎年毎年、本当に進化しているな…って思います、この2、3年は特にそう思います。マネージャーの私が会社のブログに書くのも変ですが、きっと日本を代表する素晴らしい演出家になるのだろうなって思います。少し大げさでしたかね。。

 

 私は、応援している役者さんの、演出家さんの所属している事務所がこのラ・セッテであることを、本当に幸せに思います。ずうっと思ってたけど、今回でまた痛感しました。

 推しが、すぐ近くにいていっしょにお仕事をしている方からこんな風に書かれるはたらきを毎回していること、そうやって前へ上へ進んでいく姿を見せ続けてくれていることにも感謝しているし、誇らしいし、なんというかもう、単純に嬉しいです。

 佐野大樹さんは、絶対に絶対に、日本を代表する素晴らしい演出家さんになるのだろうなって私も感じてるし信じてるし、そうなったとき、変わらず客席で拍手をしていたいなあと思います。

 

そして、今回はお客様の【役者さん・演出家・作品への愛】を物凄く感じました。物販をしながら泣いたのは初めてでした。心から感動しました。
みなさん、いろんな想いをもって劇場に来て下さっているのですね。
感動をありがとうございました。

 

 劇場に足を運ぶ愛を作り手にいるひとが知ってくれて、そしてもっと大きな愛で作品を包んで返してくれるって、すごいことだよなあ。今回、ギャングアワーは観客にもスタッフさんやキャストさんにもとても愛された舞台なんだなあと感じました。何があったというわけではなく、ただ言葉や雰囲気から。伝わるものがあったのだろうなあ。

 この舞台を観劇できて、愛せてよかったなあ。嬉しいことばっかりでした。

 再演も続編も映像化も、してほしいなあ! とりあえずありとあらゆるアンケートに書いておきます! WBB版も観たいし!

 あーーーーー、楽しかった!!! 

 

 そしてそんな最高の推しこと佐野大樹さん、4月には同じ*pnish*のメンバー・土屋佑壱さんといっしょにショーをやります!! 去年も同じ時期に結成されたユニット「SniTs」によるショー! vol.2です! やったー!! 息をするようにダイマ!!!

 チケット代3500円が安すぎてひっくり返るし、人生変わるくらい楽しいので皆さまぜひ!!!! 

ここから買えるよ~!

 

 

  アレってなーに~~~~

~!?!?!?

 

 

*1:16日日替わりゲストの好井さんが渋谷ちゃんを「シャムシェイド」といじったときの「壊れるほど愛さねえよ!」ってツッコミ、天才でしたよね・・・