日々是好日

死ぬまでハッピー!

推しと土屋さんの話

 

「土屋宴会物語2017」に行ってきた。

俳優・土屋佑壱さんのお誕生日をお祝いするための宴会だ。私は、昨年に引き続き2回目の参加になる。

土屋さんは、推しと同じ演劇ユニット・*pnish*のメンバーだ。

器用でなんでもソツなくこなすし、独特の雰囲気を持っており、場を良い意味でかき回すのが上手い。お芝居も、細かなテクニックでシリアスもコメディも自分のものにできる役者さんだなと思う。それと、眼力が強くて、握手のときにこちらがたじろぐくらいまっすぐ目を見てくれるひと。というのが、私の土屋さんへの印象になる。

昨年は、大樹っちゃんのことで手一杯すぎてほかの舞台をあまり観に行けなかった気がするけど、土屋さんに関しては2回共演したため、必然的に20回弱は舞台の上にいる姿を観たことになる。

懲悪バスターズと、サムライモード。それから、共演とはまた少し違うけれど、D-room10th内の10th-showも土屋さんが構成を担当し、ゲストでやってきた回も含め、イベント中何回かお姿を拝見した。

ツイッターで、D-roomの土屋さん回の紹介をするとき、大樹っちゃんが「今年一番仕事の話をした男です。」と書いていた。

この1年、なんやかんやと見てきた大樹っちゃんと土屋さんの関係性を、この機会に記しておこうと思う。

いやほんとうに個人の意見なので石は投げないでください!!!

 

 

まず、私はもともとこのふたりの関係性を「ライバル」もしくは「悪友」だと捉えていた。

去年のD-room9のとき、大樹っちゃんが*pnish*のメンバーそれぞれとふたりで会話する姿を観て、対鷲尾さんのときは「兄弟」、対栄治さんのときは「近所のお兄ちゃんと弟分」だなぁと思った。

で、対土屋さんに関しては、「同じクラスで仲良しだけどライバル」みたいだなぁと、なんとなく思ったことを覚えている。ふたりとも、お互いを認めるところはありつつも、負けたくないんだろうな、みたいな。なんでそう思ったか、エピソードみたいなものは特にないのだけど。

だから、正直、昨年5月のWBB vol.10「懲悪バスターズ」に土屋さんの出演が決まったときはめちゃめちゃ驚いた。

雑誌やアフタートーク、いろいろなところで言われていたが、私も佐野兄弟と同じように、土屋さんはああいうエンタメ色の強い舞台には出ないのかなあと思っていたからだ。土屋さんと大樹っちゃんが、WBBというステージで交わることはないと思っていた。

それも、この懲悪バスターズは大樹っちゃんが作・演出を務める。その負担の大きさも土屋さんが出演を決めた理由のひとつになったらしいが、それでもやっぱり驚いた。大樹っちゃんがはじめて演出をするメンバーが、土屋さんになるなんて。

懲悪バスターズのお稽古が始まると、大樹っちゃんはリツイートばかりであまり呟かなくなった。それだけ大変なんだろうということは容易に想像ができて、でも私は何もできない。当たり前だ。ツイートがなければリプライも送れないし、そもそもリプライを送ったところでそれは直接的な助けにはきっとならない。

そんなとき、土屋さんが最終稽古の前日にブログを更新してくれた。

 

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無言のまま才能だけで引っ張る演出家と
頭下げて熱意で引っ張る演出家
のふたつがあるとすれば大樹っちゃんは後者です。 
彼が演出する現場に入って、自分もたくさん刺激をもらった。

 

私は、大樹っちゃんの真面目なところとか、熱いところ、観客を楽しませようって意識が抜群に高いところがほんとうに好きだ。尊敬してる。そして、それがたまに苦しくもなる。

だけど、少なくとも、この稽古場には、大樹っちゃんの頑張りをきちんと見て評価してくれるひとがいるんだ、と思った。知ってくれてるひとがいる、ってそれだけでとてもとても救われる。いや大樹っちゃんはどうかわかんないけど、勝手にファンである私が嬉しくてほっとしてしまった。

実際、D-room 10thでは大樹っちゃんは懲悪バスターズの話をするたびに土屋さんに助けられたと語っていた。たくさんのひとに支えられてつくられた舞台であることに間違いはないけれど、そのなかでも、土屋さんが居てくれたことが、どれだけ救いになったのだろう。

本編でも恋塚社長とオーメンというコンビとも呼べるポジションで演じていたふたり。エンディングダンスで、踊り終えたふたりがハイタッチをする瞬間、「ありがとう」と大樹っちゃんの口が動いたのを今でも忘れられない。千秋楽とかじゃなくて、東京公演の中日とか、それくらいだった気がする。ふたりが、舞台の上で、佐野大樹と土屋佑壱に戻った一瞬だったのかなぁと思う。

 

 

先述したように、今年のD-room 10thの10th-showの構成も土屋さんが担当している。この10th-showは10回記念のワンマンショーで、大樹っちゃんも物凄く気合いを入れていた。土屋さんとの関係性と関連があるのかは謎だが、大好きなツイートを紹介しておく。

 

 

「観に来てねー。」はよく見るんだけど、「観て貰いたい!」が新鮮で、ちょっとびっくりした。でも、なんだかほんとうに嬉しくて、大樹っちゃんのこの10th-showにかける意気込みにじんわりと感動してしまった。まだこの時点ではD-room 10th自体始まってないのに早すぎるけど。

1月18日20時、初回。10th-showは、今まで見たことのなかった顔も、こういうところすてきだよなぁと再確認する魅力もふんだんに詰め込まれた、最高のエンタメショーだった。辞書でエンターテインメントって引いて佐野大樹の名前を書き足したいくらいだ。

このエンタメが完成したのは、もちろん大樹っちゃんの表現力やエネルギーや気持ちによるものが大きいのだろうけど、でもそれと同時に、周りのひとが「こんな大樹っちゃんをお客さんに観てもらいたい」と強く思ってくれたからなんじゃないかなぁと思った。こんな大樹っちゃん、観せたことないよね?でもこういうこともきっとできるよね?みんな観たいよね?って、語りかけられてるみたいだった。

土屋さんの構成がどこからどこまでどのように作られたかどうかはわからないけど、「こういう大樹っちゃん好きでしょ!」「こういう大樹っちゃんもいいでしょ!」ってにやにやされてるみたいな。そりゃあもう、完全降参で白旗を振るしかなかったわけだけど。

10th-showについて、土屋さんはブログにこう綴っている。

 

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自分に出来る限り、佐野大樹を追い込んで引っ張り出せたら。
多分楽しい。
 
なんていうか、大樹っちゃんを追い込んで引っ張り出せるのは、現時点で土屋さんしかいないのかもしれないなあ、なんて思ったり。時間がない中でつくられたとは思えないくらい相当いろんなものが詰め込まれた10th-showだったけれど、だからこそ生まれた感動とか、高揚とか、一体感とか、そういう研ぎ澄まされた熱さがあったのだろう。そして、それはきっと大樹っちゃんの持つ最大の魅力だ、と私は思う。
大樹っちゃんには、大樹っちゃんにしかできない表現や、大樹っちゃんにしか与えられない何かがある。だからファンをやっているわけだけど。でも、それがこちらに伝わるまでにはものすごい努力が必要で、もがきながらもその先にある大きなものを掴もうとする姿に私たちは心を動かされるのだ。

知っていたはずなのに、10th-showで、そしてD-room 10thでそれを改めて実感した。思い知ることができたのは、土屋さんの影響も大きいなあと思っている。

 

 

土屋さんは、D-room 10thでたくさんの刺激を受けたと言ってくれて、きっとそれが今回の宴会にも繋がったんだろうなあと、随所で感じることができた。

今日、あの宴会の場にいた大樹っちゃんも、いろんなものを受け取って、自分のものにしたんだろうと思う。

ふたりとも、相手を褒めたり、面と向かって褒められたりすると冗談に持っていこうとする節があるけど、きちんとお互いを評価しているのがわかるし、この1年は言葉にしているのを聞く機会も多かったような気がする。

土屋さんは懲悪バスターズのカーテンコールやアフタートークで大樹っちゃんの頑張りを教えてくれたし、大樹っちゃんは「演劇人は、夜な夜な、下北の街で呑み明かす・・・」ですてきな演劇人として土屋さんの名前を挙げていた。

こういう認め合って刺激し合う関係性、いいなあ、と思うのだ。

 

 

最後に。土屋さんは、写真を撮るのが上手い、と思う。それは技術的なこともあるんだけど、そこに感情が映し出されている瞬間があるのだ。

私は、土屋さんの撮る大樹っちゃんの写真が大好きだ。ブロマイドみたいなキメキメの顔も好きだけど、やっぱりこういう、意志の強さがにじむ表情がいとおしいと思う。

先に上げたブログ記事の白黒写真がいちばん好きなのだけど、こっちも好きです。

 

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この、演出席から芝居をみつめるオーメン

土屋さんは、全体的にがーっと勢いがあってぽんぽんと風船を飛ばすみたいに話すひとだなあという印象があるのだけど、その反面、とても丁寧に言葉を選ぶときがある気がしていて。そのとき選び抜かれた言葉は、なんだかぴかぴかと磨かれて、宝物みたいだなあと思う。

その宝物みたいな言葉で語られる大樹っちゃんが、ほんとうに好きなんです。

D-room 10thで土屋さんから曲のプレゼントをされている姿を見ながらも思ったけど、大樹っちゃんは大切にされているよね。それは大樹っちゃんが周りのひとを大切しているからなんだろうし、ここは対等な関係を結んでいるんだなあと改めて思った。

 

 

土屋さん、お誕生日おめでとうございます。

きっとこれからも、大樹っちゃんとは違うベクトルで、土屋さんは特別な存在なのだろうと思います。

ぱーっと周りを明るくする笑い声が、この1年も絶えませんように。

「大樹っちゃん」「土屋」と呼び合うふたりの関係性を、たくさんたくさん観ていけますように!

 

 

 

推しを語るお題 (バクステの注意から編)

 

 こんにちは。最近は、先日のイベントで買い込んだブロマイドを友人に配り歩く生活を送っています。楽しいです。

 さて、今日はこちらを参考にさせていただいて記事を書こうと思います。

 

ys-memolog.hatenablog.com

 

plus14.hateblo.jp

 

 

■俳優さんの名前は?

 佐野大樹さん。演劇ユニット*pnish*のリーダーです。実兄・佐野瑞樹さんと兄弟ユニット・WBBを組んでいます。先日の舞台で共演者の方に「叶姉妹みたいなビジネス兄弟だと思ってた」って言われてたの笑いました。

 

 

■その俳優さんを好きになってどのぐらい経った?

 3年と半年くらい。いま数えてびっくりしました。でも舞台に本格的に通いだしたのはここ2年くらいです。

 

 


■どういったきっかけで好きになった?初めて知ったのは?

 高校3年生のとき、文化祭で*pnish*の「モンスターボックス」を上演したのがきっかけです。

 私は脚本を担当してたので文字起こしをするために映像を観たんですけど、舞台というものに触れたのもそれがはじめてで、この世にこんなに面白い娯楽があるのかと驚いた。最初は土屋さん演じる暁が好きで好きでしょうがなかったです。

 文化祭が終わって、喪失感とか受験への不安とかいろんなものに駆られながら、ふと思い立ってモンスターボックスを観返してみたら、なんだかはじめて観たときよりも面白くて。そのとき、*pnish*について調べました。心の弱さにつけこまれて妖怪になりかけてしまう遠藤という役を演じてたひとがリーダーだと知って、サイトの説明文を二度見したのを覚えてます。勝手に、ぐいぐい引っ張っていくというより、周りに支えられて立つタイプのリーダーなのかなぁと思ってました。

 そして、バックステージというものを観ました。まず土屋さんのテンションの高さに驚きすぎて一時停止。クールな暁はそこにはいませんでした。ぜんぜん知らない役者さんたちの、役とはぜんぜん違う顔が面白いなぁなんて思いながら観ていると、その瞬間はいきなり訪れました。

 カメラを回している土屋さんに、小道具を舞台袖に置きっぱなしにしていることを注意しはじめる「遠藤役のひと」。カメラ回ってるのに!真剣に!ちゃんとして、って厳しい顔をして!舞台上では弱い面をさらけ出していたひとが!

 どきどきして、一時停止。このひとがリーダーなんだ、と思ったはじめての瞬間でした。これは好きになってしまうかもしれない。そう思ったら、早かったなぁ。「遠藤役のひと」は「佐野大樹さん」になって、いつのまにか「推し」になってました。

 大樹っちゃんの最初に好きになったところは、厳しくなれるところです。

 

 

■好きな作品とオススメの作品を教えて!

▽D-PRODUCE vol.1「アヤカシ奇譚」

pn-rk.hatenablog.com

 大樹っちゃんがはじめてプロデュースを手がけた作品。初脚本。主演。漫画みたいな舞台を作りたいっていう、大樹っちゃんの信条っていうか柱、軸みたいなものがとても表れてる作品だなぁと思ってます。主人公の少年がアヤカシと人間の架け橋になろうと奮闘するっていう、これだけ書くとありふれた物語なんだけど、テーマが「存在意義」な時点で察してほしい。WBBの公式サイトからDVDが買えます。個人的には、パンフレットに掲載されてる演出のきだつよしさんとの対談がめちゃめちゃ良文なので、それも併せて読んでほしい。

 

▽WBB vol.10「懲悪バスターズ」

pn-rk.hatenablog.com

 2016年5月に上演された、WBBの10回目記念公演。大樹っちゃんが作・演出してます。小さな子どもも楽しめるようなテーマパークみたいな作品にしたい、というコンセプト通り、かわいい悪霊とポップな世界観、ダンスとアクションの融合など、見た目もど派手で楽しい舞台でした。今をときめく若手俳優・有澤樟太郎くんも出演してます。DVDはやっぱりWBBの公式サイトから買えます。この前覗いたらパンフレットが売り切れててびっくりした。

 

▽舞台版「心霊探偵八雲 いつわりの樹」

 2008年の初演からずっと石井雄太郎役で出演し続けている八雲シリーズ。八雲をはじめ、次々とメインキャストが変わっていくのに、唯一変わらない石井刑事です。原作者の神永先生、たまに大樹っちゃんの出演舞台の客席で見かけます。

 シリーズのなかでも、この「いつわりの樹」は石井刑事にスポットライトが当たっています。2013年に再演もしてるけど、2008年版のほうが個人的には好きかなぁ。気弱でいじめられっ子だけどやさしくて、自己犠牲精神が強くてまっすぐな役がとてもよく似合う。「空飛ぶジョンと萬次郎」も同じようないじめられっ子の役だけど、八雲のほうが作品として取っ付きやすいし、コミカルなお芝居も観られるので、こちらをおすすめしておきます。でも私はジョン萬の方が好きだから矛盾してる。

 

▽*pnish* vol.9「シークレットボックス」

 たぶん、大樹っちゃん史上いちばん可愛いに特化した役を演じてる。当時28歳でノースリーブの衣装着て「牛丼、牛丼っ!」って言いながらソファの上で飛び跳ねるって信じられますか??? *pnish*の中でも可愛いキャラを確立していた大樹っちゃんの本領発揮なので、ぜひ観てほしいです。かっこいいと可愛いのスペシャリストすぎる。

 

▽*pnish* vol.15「サムライモード」

pn-rk.hatenablog.com

 2016年9月~10月に上演した、最新の本公演作品。2008年に上演した「*pnish* vol.10 サムライモード」の再演です。殺陣あり友情ありもちろん笑いありでストーリー構成もしっかりしていて特に人気の高かった作品が、鈴木勝秀さんの演出と新キャストによって生まれ変わりました。結構、だいぶ違ってた!!ちょー良かったけど!!

 大樹っちゃんが演じるのは、サイガという伊那家の二将のうちのひとりで銃から鉛の代わりに花を出して飄々と笑うような美丈夫。設定からしてずるすぎる。女が100人いたら100人全員サイガ様に恋をするので覚悟してほしい。

 

▽ミュージカル「冒険者たち」

 2009年初演、2010年再演。貴重なミュージカルです!!! 絵本である「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」の舞台版。大樹っちゃん演じるイカサマは、金髪ねずみ耳で博打打ちっていうこれまたずるいイケメンです。個人的に、ビジュアルでいうとイカサマがナンバーワン! 2009年版ではカーキのツナギが似合いすぎてて、なぜその年に人間国宝に指定されなかったのか謎すぎる。DVDのバクステや副音声では可愛い一面も見れて嬉しいです。

 

 

■どんなところが好きなの?

 観客を楽しませようっていう気持ちがとても強いところ。舞台を観るうえでお金がかかってることをきちんとわかってるところ。ひいてはプロ意識が高いところ。熱いところ。周りへの感謝を忘れないところ、それを定期的に口にするところ。ファンに優しいところ。気遣いができるところ。自分にも他人にも厳しくできるところ。褒められると照れて変な顔しちゃうところ。向上心が強いところ。努力家なところ。まっすぐあろうとするところ。ふと口が悪くなるところ。他人の良いところを見つけて褒められるところ。アフタートークで話してるときに椅子をちゃんと正面に向けてくれたり、自分側にいるお客さんにちゃんと顔を見せてくれるところ。などなど。

 やっぱりお芝居が好きです。よく通る声とか、はっきりした表情とか。でも喜怒哀楽の単純な感情だけじゃなくて、葛藤や悔しさ、困惑みたいな複雑なものを表面に出すのがとても上手いなぁといつも思います。大樹っちゃんの表情を観てると、その役の気持ちが伝染してきて、その舞台を観るのが何度目でも新鮮に驚いたり悲しんだりときめいたり楽しくなったりするのがすごいなぁって。次どんな行動を起こすんだろう、どんなことを言うんだろう、ってわくわくするようなお芝居を観せてくれるところが好き。

 あと、当たり前だけど、見た目!!! 銀河系でいちばんかっこいい。考え方も言葉の選び方も好きだし、なんかもうぜんぶだなぁ。好きなところは存在です。

 

 

■応援してて良かったって思う時はある?

 わりと毎日思ってるけど、直近で強く思ったのは誕生日イベントで大樹っちゃんの弾くピアノの音色を聴いたときかな。忙しいのに練習を重ねて、気持ちを乗せて、ファンへの感謝を表すために選んだ曲を必死な顔で弾いてくれてるのを見て、あーこのひとを好きでよかったなぁって思いました。

 あとはやっぱり、舞台を観てるときは思うなぁ。カーテンコールで立ってる姿を見てるとき。衣装着てライトを浴びて台詞をしゃべってるときがいちばん好きだし、常に最高打点のものを観せてもらってるから、「応援しててよかった」はそのたび上書き保存されます。

 

 

■好きな俳優さんにどんな役をやってもらいたい?

 感情の高ぶりを抑えてるときの表情がめちゃめちゃ好きだから、熱さを秘めた役が観たいです。殺し屋から刑事、ホスト、ねずみまで幅広く演じてるからあんまりやってないような役って思いつかないんだけど。あ、ヒーロー役は観たいかもしれない!ヒーローものの舞台は作ってるけど、そういうときは正義と対立するほうに回ってるからなぁ。ヒーローを演じるところ、観てみたいです。

 あと、役とは少しずれるけど、朗読劇が観たい。この前のイベントでちょっと叶ったけど、がっつり真面目なやつ! イベント中の小芝居じゃない、ひとり芝居も観てみたいなぁ。

 

 

■推し以外に好きな俳優(純粋に気になる、気が向いたら追ってる程度でOK)はいる?

▽玉置玲央さん

 去年の6月にどぼーん!とハマって、舞台を観に行くたびに「すごい役者さんだ」という気持ちが強くなってます。驚異的な身体能力と、しなやかな色気、抜群にのびやかな声が魅力的。誰かのために演劇を、っていう精神がとても好き。自分の哲学をしっかり持ってて、演劇の神様と相思相愛すぎるなっていつも思います。3月のテンペストが楽しみです。

 

矢崎広さん

 最近はすっかり追えなくなっていて悲しい・・・。ミュージカル薄桜鬼の土方さん落ち。声が好きです。ミュージカルで活躍しているのが嬉しいけど、ストレートのお芝居での存在感も好き。すごく器用だなと思う。役を抜けたときの、素のぽわぽわした雰囲気がかわいいです。

 

 

■あなたにとっての推しとは

 神さま。頑張る目的にはしたくないけど、常に頑張る理由でいてくれる存在。生きるうえで、前を向くための指針。しんどいとかつらいとか、そういう暗いものをその存在ひとつで吹き飛ばしてくれるから、守られてるなあっていつも思います。若い役者さんかっこいい役者さん上手い役者さんやさしい役者さんはこの世にごまんといるけど、今の私にとっては大樹っちゃん以上のひとっていなくて、ほんとうに唯一の役者さんです。

 

 

■最後にその俳優さんのことを軽くプレゼン

 常に観客のことをいちばんに考えてくれるし、日常を彩る最高のエンタメを見せ続けてくれる、ほんとうに熱くてやさしい役者さんです。お芝居はもちろん、脚本や演出のお仕事もコンスタントにあるので追いかけててまるで飽きません。挑戦の姿勢が一向に崩れなくてびっくりです。あとお顔が365日いつでもスペシャルきれいです。

 本人曰く子分気質なので年上の役者さんには可愛がられるし、年下の役者さんの前ではお兄ちゃんみたいな顔をしているときがあるし、*pnish*のメンバーに対してはライバルみたいな友達みたいな家族みたいな接し方をしていて、どこかしらでは絶対ときめくはず!!!

 まずはWBBが3月にトークイベント、7月末から8月頭にかけて公演を打つのでそちらに足を運んでみてはいかがでしょうか!!! 

 

 

 

D-room10thと約束の話



先日、推しの、大樹っちゃんの誕生日イベントが終わった。


D-room 10th。その名の通り、10回目の誕生日イベント。

すごいことだ、と思う。ファンの間では、冬といえば大樹っちゃんのお誕生日とD-roomがある季節だ。風物詩にさえなっている。でも、このイベントがあることって当たり前じゃない。

D-roomは、まぁ周りの空気もあるかもしれないけど、大樹っちゃんが動かなきゃ始まらないわけで。劇場おさえて、ゲスト交渉して、打ち合わせやお稽古を重ねて、たぶんクリスマスもお正月も返上でたくさん準備して、本番を迎えればぶっ通しでひとりで喋ったりお芝居したりピアノを弾いたり。今年は初日からのどがつらそうではらはらした。

人間が1日にもらえる時間は、平等に24時間のはずだ。2016年から2017年にかけての大樹っちゃんは特に忙しそうだった。それなのに、D-roomは5日間12公演あった。ピアノも弾いた。10th-showという記念ワンマンショーではばっきばきに踊っていた。それに加えて、なんと今年も年賀状が届いた。

これらを、大樹っちゃんは軽々とこなしているわけではないだろう。きっと苦しい瞬間があって、悔しい思いがあって、それでも舞台の上では朗らかに笑っている。

私たちの「楽しい」は、確実に、大樹っちゃんの「しんどい」の上に成り立っている。

パフォーマンスをお仕事にしているひとたちは、お客さんを喜ばすために努力することが義務なのかもしれない。そうやってお金を貰っているのだから、と言えばそれまでだろう。

だけど、それってとてもすごいことだ。膨大な時間をかけて、精一杯の力で表現をして、いつか出会う観客のために最大限のことをする。それができる。

大樹っちゃんは熱くて、強い、と思っていたけど、その言葉で片付けてはいけないんじゃないかなって今回思った。

強くあろうとしてくれてる。楽しませようとしてくれてる。大樹っちゃんは、頑張れるひとというより、頑張ろうと努力してくれるひとだ。


私にとって大樹っちゃんは神さまだし魔法使いで、ヒーローだから、いつもその存在に救われて守られてる。

でも、それだけじゃいやだなって思った。貰いすぎて、両手じゃ抱えきれないほどの幸せを、少しずつでも返していきたい。

私は、疑り深くて臆病だから、「絶対」とか「ずっと」とかそういう無責任な類の言葉をなるべく避けたがる。

でも、もうだめだった。12回も大樹っちゃんの気持ちを浴びて、信じるしかないなぁって思った。

ファンは、きちんと感謝されてるし、愛されてるし、大切にされている。これは絶対だ。

だから、私も返したい。誠実なひとには誠実でいたいし、「頑張りたい」って大樹っちゃんが言うなら、「頑張れ」って言い続けたい。

ちゃんとそばにいたい。リプライやブログコメントやお手紙に何度も何度も書く「いつでも応援してます」の言葉を、嘘にしたくない。空虚なものにしたくない。

劇場に行くとか、アンケートやお手紙を書くとか、グッズを買うとか、それくらいしかできないけど、だからこそ、できることはぜんぶやる。

大樹っちゃんが私たちに決意表明してくれたから、これは私が返す精一杯の約束だ。

いつか熱が冷めるんじゃないかって未来に怯えるのは、もうやめようと思う。手を離さない努力をしようと思う。

一生って言葉を遣うのはまだ少し怖いけど、きっと明日も大樹っちゃんが好きです。それだけは信じてます。



大樹っちゃん、お誕生日おめでとうございます。

役者という道を選んでくれて、選び続けてくれて、私にファンという道を選ばせ続けてくれて、本当にありがとうございます。

大好きです、それしかないです。

幸せでいてください。


さー、大樹っちゃんのファンとしての1年、始めるぞ!



2016年現場振り返り

 

    年末ですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。

    私は相変わらずバイト漬けの日々ですが、とりあえず推し納めできたので今年の現場を少しずつ振り返ってみようと思います。

 

 

 

1月

・ラッキィィィィィィィ7

 横浜アリーナ、2回。現場始め、ジャニーズWESTコンサートツアー。ホルモンのサラシ+学ランが反則すぎて死亡。かと思いきや続くTAMERで二度目の死亡。レッドライオンで飛び出てくる重岡くんかっこよすぎませんか?

 

・薄ミュ新選組奇譚
 銀河劇場。松田岳さん演じる土方歳三にすべて持っていかれる。黎明録を経た土方歳三という色が強く、歴代よりも人間と鬼の狭間で悩む様子が伝わってきた。そこがとても私の思う土方さん像とリンクしていて、松田副長にまた会いたいなと思わされました。

 

・Unlimited Door
 武道館。小野大輔さんのコンサート。友達に誘われて行ってみたら小野Dのあまりのきらきら王子様っぷりと、純粋でまっすぐなファンへの言葉たちに胸を打たれて泣いてしまった。終演後、ファンが銀テを出口で譲り合っていてびっくりしました。すてきだ。。

 

・D-room9
  ザムザ阿佐谷、11回。推し始め!こんなに好きだったのかと思い知らされたり、こういうとこすてきだよなぁと再確認したり、なんて幸せなんだろうと噛み締めたり。大好きで覆われつづける4日間でした。一生このひとのこと好きなのかもしれないなあ、とぼんやり思いました。

 


2月
・回転する夜
 紀伊国屋サザンシアター。推しがアフタートークゲスト。ともるくんはやっぱり上手いなあ、と思ったと同時に、味方くん演じるあっくんが好みすぎてびびる。お話自体もいろいろと考えさせられて、通ったら楽しそうだなと思いました。

 

・土屋宴会物語
 土屋さんのバースデー宴会。改めて、土屋さんのお客さんを楽しませる意識の高さやスキルに感動。森山さんからのお手紙、今でも思い出して笑ってしまう。やっぱり*pnish*が好き。あと、ゲストで来た推しが黒シャツで死ぬっっほどかっこよかったです。

 


3月
・リビング
 赤坂レッドシアター、8回。あれよあれよという間にチケットを増やしてしまった…。アフターイベントのパジャマ男子会が楽しかったです。荻田さんのコメディって想像つかなかったけど、面白かったなぁ。主演の栗山くんが千秋楽挨拶でリビングが終わることを寂しがっていて、それが嬉しかった。終演後に推しから特典の生写真を手渡ししてもらえるのが新鮮でどきどきして楽しかったー!

 

・トラベルモード
 中野テアトルBONBON、3回。推し演出と出演。イヌッコロ版もどたばたと愉快で楽しかった〜! マルセルが強そうになってた。ベルボーイ役の古川くん(星乃くん)が憎たらしくて最高にキュートでした。今思うと、この春から推しの多忙極まる1年が始まった…って感じだ。

 


4月
・トラベルモード
 引き続き。2回。

 

・ラッキィィィィィィィ7
 宮城のセキスイハイムスーパーアリーナツアーオーラス! 重岡くんの「熱には熱を、愛には愛を返していきたいと思います」という挨拶で泣く。ウエストの作るコンサートが好きだなぁ、このひとたちのファンへの気持ちが嬉しいなぁ、と実感させられました。いいコンサートだったな、ラキセ楽しかった!

 

・市場三郎〜温泉宿の恋〜
 東京グローブ座。濱田くん主演舞台。グローブ座でやってるんだけど、雰囲気的には下北沢でやってそうな感じだった。ゆるくて親しみやすくてわけわからん楽しいが充満してるかんじ。ホットパンツの歌、未だに頭から離れないです。助けてくれ。

 


5月
私の頭の中の消しゴム
 銀河劇場。矢崎さん三倉さんの回。電車の乗り換えを間違えて開演5分前に着席するっていう初めての体験。もう絶対しない。朗読劇って初めて観たけど、動きは少ないのにあんなに伝わってくるものなんだと驚いた。号泣するしかなかった。矢崎さんは不器用だけどやさしい男のひとを演じさせたら右に出る者いないのでは?? また他の役者さんが演じてるのも観てみたいなあ。

 

・懲悪バスターズ
 東京芸術劇場プレイハウスで5回と、新神戸オリエンタル劇場で3回。WBB10回目記念公演!推し作演!今年いちばん印象深い作品。大千秋楽のカーテンコールで紙吹雪の舞う舞台に立つ姿を見たとき、一生このひとのファンでいたいって、もしかしたら初めて強く思ったかも。臆病だからあんまり先のこと考えられないのに。作品自体が面白すぎて、初日の時点で「あと500回は観たいのになんで7回しかやらないの!?でも全通するって決めた過去の私サンキューな!!」って思った。推しが天才だった。好きすぎたから、大千秋楽は始まる合図である鐘の音が鳴った瞬間に泣いた。アミット役の勝吾くんがとても良かった〜。

 


6月
・オタッカーズ・ハイ
 下北沢の小劇場B1。元気がない時期にひたすら面白いお芝居が観たくて、前日購入。牧田さん演じる毒島さんが好きだったな、大好きなアイドル・アンナちゃんがいるならどんなところだって駆けつける精神と根性にはっとさせられた。久しぶりに加藤良輔くんも観られて嬉しかった〜。

 

・柿フェス(フランダースの負け犬、いまさらキスシーン)
 王子小劇場、各2回ずつ。今年のこんなはずじゃなかった大賞!!!本当はフランダースの負け犬1回だけの予定だったのにそこから千秋楽までで行ける日程ぜんぶチケット取ってこうなった。玉置玲央さんという怪物に出会い、何かを奪われる。いまさらキスシーンを観るために人生で初めて当日券に並びました。いまさらキスシーン、すごかったな。指がふるえてアンケートが書けないっていう初体験。ひよりちゃんにまた会いたいです。きっと会わせてくれるんだろうな。

 


7月
・Happy *pnish* Birthday 15th!
 TSUTAYA オーイースト!夢のハピパニ! ハピパニ稽古期間、後半から推しが写真にも動画にも映らなくてなんで…と思ってたら、明るい茶髪になって登場したので胃の底から声あげました。小学生ダンスとかホストダンスとかルパンとか、推しの手乗りバク宙とか、観たかったものいっぱい観れて幸せだったなぁ。あとまさかのオーメン登場で叫んだ…。蝉もまた観れたし!お見送り握手は完全に楽しかったですありがとうございますbotになったけど!

 

・ジャージーボーイズ
 シアタークリエ。ドッグファイトぶりの矢崎さんのミュージカル。また更に更に上手くなっていて、のびやかな歌声に涙が出た。私は矢崎さんの声が好きなんだよなぁと再認識しました。ボブ、いちばん年下で可愛いけど策士なところがすてきだったな。

 

・リバースヒストリカ2016

 品川プリンスホテル クラブex、7回。まさかのWBB番外公演。*pnish*の作品をやると思ってなかったからびっくりしたけど、推しが再びの秀吉役で泣きました。配役発表動画、本気で何十回も観たしそのたび嬉しくて拝み倒してた。ブロマイド撮影とか稽古中は金髪だったから初日に黒髪で登場したときは叫びそうになったなぁ。WBB初ブロマイドも嬉しかったな、友達に配ったらみんなかっこいいねえってちやほやしてくれた。初めて全公演最前で観ました。そしたら4/7公演で同じ座席を引き当てて笑いました。秀吉が好きすぎて通うのちょー楽しかった!!

 


8月
・湖畔の映画祭
 いろいろあって、博打を打つ気持ちで山梨へ。ラ・セッテ製作の映画「ACTOR」を観に本栖湖に行きました。蒸し暑い空間で映画を観るのもオツだなぁと思ったし、主演の黒岩さんの熱のこもったお芝居がすてきでした。無事に舞台挨拶で登壇する推しの姿も見れたし満足! 帰りの道路が死ぬほど混んでて終電ダッシュしたのきつかったけど!

 

・艶情☆夏の夜の夢
 吉祥寺シアター。初めての女体シェイクスピア。吉祥寺はよく行くけど、お芝居観たのは初めてだったな。女優さんたちの圧倒的な迫力と美に全力でぶん殴られてすごく楽しかった…。アフタートークゲストがちょうど玉置さんで、パンフも手売りしてもらえて嬉しかった〜。シェイクスピアへの興味関心が強まりました。

 

・薄ミュライブ
 zepp divercity。聴きたかった曲たくさん聴けて高まった〜! 特に荒牧総司くんのPAINT IT BLOODが嬉しかったなぁ。風間勝吾くんに「ちー様〜!」って全力でペンライト振れる現場サイコーだなって思った。松田さんと矢崎さんの新旧副長対決を観れたり、矢崎さんの冷厳な瞳を聴けたり。夢がいっぱい叶った日でした。

 

・イヌの日
 ザ・スズナリ。暑くて重たくて心に根を張るお芝居でした。私は玉置さんを怖いくらいの存在感があるひとだと思っていたのだけど、この舞台ではそれを完全にさらりとナチュラルなものに変えていて、またしても玉置玲央という俳優さんの未知なる部分に出会ってしまった。毎回驚かされてる気がするし、今後もそうなんだろうなぁと思っている。

 

宮本武蔵(完全版)
 東京芸術劇場シアターイースト。イースト初めて入った、ので、これで芸劇制覇です。わーい。すごく軽く、でも確実にぺらぺらと人が死んでいく不思議な世界。矢崎さん演じる小次郎がずるくてよかった、タオル取られるの本気で嫌がるのとかよかった。脚が綺麗だった。最後の最後、武蔵は刀を振り下ろしてしまったんだろうかと今でもたまに考える。繰り返し観ても面白かっただろうなぁ。

 


9月
・人魚外伝
 シアターサンモール。モンスターボックスやアヤカシ奇譚が上演されていた憧れのシアターサンモールに入れて感無量でした。主演のRy☆くん目当てで行ったのだけど、衣装がめちゃめちゃ可愛くて見入ってしまった。お話自体はあまり合わなかったけど。

 

・サムライモード
 サンシャイン劇場、6回。*pnish*本公演〜! 初日の前日?に出たゲネプロ写真であまりの衣装やウィッグの変わりようにざわざわ。橘と賢明さまにびっくりしすぎた…幕が開けたら未来の話になってるしほんとうにびびったけど、スズカツさんに演出されることでより研ぎ澄まされてシンプルにサムライたちの生き様を観ることができた気がしました。サイガ様は一層美しくなっていたし、ナミキヨの愛が重たくなっていた。日替わり大好きだったな…。崎山くんが天才だということを知る。千秋楽で推しのブロマイドがいちばんに売り切れて驚いたと同時に、そうであろうそうであろう〜と勝手に鼻高くなった。あと、成さんが来た回のアフトで推しが「(*pnish*を)誰かが死ぬまで続けようよ」って言ったのがとても嬉しくて、信じようって思いました。

 

・夢と希望の先
 本多劇場。初の月刊「根本宗子」。お目当ての玉置さんが降板してしまって残念だったけど、観に行けてよかったなと思う。根本さん演じる10年後のさっちゃんがぶちキレるシーンで私はしんどくて泣いてたのに男性のお客さんは爆笑していて、ああこれが噂に聞いてた現象かってカルチャーショックを受けた。えっちゃんがさっちゃんのセクシーカレーを歌うシーンで意味わからんくらい泣いたなぁ。何に泣いてるのかわからなかった。すごくリアルなのに、これは演劇なんですって教えてくれるラストシーンの良い意味でくだらない感じがよかった、とても面白かった。

 


10月
・サムライモード
 引き続き。新神戸オリエンタル劇場、4回。スズカツさん回のアフタートークが面白かったなぁ。サイガ様は撃てないのではなく、撃たない。崎山くんが東京のアフトで宣言してたとおり本当に推しにお手紙書いてきたことに感動しました。15周年の*pnish*の本公演、最初から最後まで駆け抜けることができてよかったなぁ。千秋楽のカーテンコール挨拶で土屋さんが「この作品が、役が、お客さんが好きでした」って言ってたのが印象的。

 

・ギター友の会 おしゃべりの会
 表参道GROUND。土屋さんと永山さんが、ふたりでいる、ふたりでやっていく意味みたいなものを少しだけ掴めた気がした。お仕事からプライベートまでいろんなお話を聞けて面白かったなぁ。このふたりの不思議だけど確かな関係をこれからも見ていきたいなぁと思ったので、またイベントがあったら行きたいな。次は読み聞かせに行ってみたいー。

 

・ご町内デュエル
 サンモールスタジオ、チームイヌッコロ3回。推し演出と出演。やっと初めてお花を出せました、アレンジだけど。推し演じる安藤さんが死ぬほどかっこよくて可愛くて意味わかんなかった…。物腰やわらかいけど迫力のある、ああいう冷たさを備えた役が似合うなぁ。そこからシスコンモードへのギャップが激しくてそれも最高でした。「どこにいるにょっ?」って突然デ・ジ・キャラットみたいになったの爆笑した。お話自体めちゃめちゃ面白くて、役者さんもみんな上手くて熱くてすてきだった! エンタメ感が強くて、毎日元気をもらいました。


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 出したお花。安藤さんの衣装イメージで、上品かつかっこいい感じでお願いしてみました。赤いガーベラの花言葉は「常に前進」と「限りなき挑戦」。めっちゃ気に入ってます。来年はスタンド出したいなぁ。お花受け付けてくれる現場がひとつでもあれば嬉しい…。



11月
・ご町内デュエル
 引き続き。チームイヌッコロ5回、チームシザーブリッツ1回。シザーブリッツは推しがアフトゲストに呼ばれたので思い切って増やしてみました。結果、どちらも観れてよかった! 全然ちがった! 鷲尾さんが演じる安藤さんは推しよりも笑わないしどっしりと構えていて怖かったな〜、シスコンモードは女性らしくてさすが*pnish*のヒロイン…と震えました。毎日通ってたら小野さんにお声かけしてもらえるようになって、なんだか面白い現場でした。

 

・川元さん、他人の金で鍋食べたくなる季節ですね。
 新宿劇場バティオス。磁石の佐々木さんとダブルブッキングの川元さんのトークライブ。推しがゲスト出演。起きぬけで知ったんですけど、最初見たときほんとに意味がわからなくて、日も迫ってたし「え!?無理では!?」ってなった。5分後には予約したけど。芸人さんの現場ならでは、なのかはわからないけど、だいぶイジられてて複雑な気持ちになったり。でも楽しかったです、総合的には。推しがいま舞台を作ることを「楽しい」と思っているってことが知れて、それが嬉しかったなぁ。

 


12月
・スペーストラべロイド
 赤坂レッドシアター、12回。もともと全通するつもりは一応なくて、でも来場者特典がカレンダーポスカで、1公演1月ずつ配られるっていうびっくりな感じで、笑いながら2公演増やしました。カレンダーはどれもめちゃめちゃかっこよかったり可愛かったりしたので満足してます。お話も面白くて、たぶん全通しなかったら後悔してたと思うから、結果的にWBBありがとう大好き!ってなりました。推し演じる火野さんが良すぎて、今年観た役でいちばん好きになってしまった。なんだろう、追い詰められてるときの表情が好きなのかも。児玉さんやパンチさんを始め、推しがカンパニーまるっと好きなのかなと伝わってきて嬉しい公演でした。カーテンコールでいつも楽しそうだったのが嬉しかった〜。

 

・甘い傷
 中野あくとれ。50席くらいだったのかな?小ぢんまりとした客席とアットホームなスタッフさん、50,60代くらいの男のひとたちがとても真剣にお芝居を楽しんでいて最高でした。開演してから外波山さんが出演していることに気づいてびっくり。衣装の色味もすこしオイボレのときと似てて、一瞬で「あ!?」ってなった。瓜生さん演じる桃子がマニキュアを塗るシーン、「なんで女ってのはこんな面倒なものを塗るんだよ?」って聞かれて「知らない」って答えたのが好きだったなぁ。確かにマニキュア塗る理由ってなんだろう。私はバイトの都合上ネイルができないし、推しの舞台に通うときは塗るくらいだなぁ。まぁ推しから指先なんて見えないんだけど。

 

・昭和ブレーメン
 下北沢駅前劇場、2回。そのうち1回は推しが日替わりゲスト。推し納め! 相変わらずはちゃめちゃで楽しかったなぁ〜、1年越しに推しが歌う夜空ノムコウも聴けたし、犬に扮したりバックでぽんぽん振ってたり踊ったり、出番もちょこちょこあって嬉しかった。歌の先生として登場する推し、音痴を武器にしていて強い…ミュージカルはきっともう出ないんだろうから、ああいう場で歌声が聴けるのはちょっと有難いな。ナポリさんありがとうございます。細見さんがすんごい岩西みたいな胡散臭さで出てきたなと思ったら役名が「小岩西」でふつうに爆笑してしまった、天才なのか?? 良い推し納めでした!

 

・虚仮威
 本多劇場。柿喰う客本公演。まさかの大晦日に観劇納めです。どんな感想を抱くのか、今からわくわくする。年の瀬に3連チャン下北沢!家からふつうに遠い!でも好き!

 

 


 以上、100回32種類の現場に行くことができました。数えたらぴったり100で驚いた。
 このうち75回は推しの現場です。今年もいっぱい、ていうかどう考えても75個以上の幸せをもらったなぁ。6月以外は毎月1回は観てたし、ほんとうに楽しい1年だった。

 現場に数えてないけど、アニメイトAKIBAガールズステーションで一日店長してたのも面白かったな。その日ハワイに飛び立つ予定だったし全10公演の舞台の11枚目のチケット買うのどういうことなんだと思ったけど、茶髪の推し死ぬほどかっこよかったし行ってよかったです。チケットあげた友達も楽しんでくれたし。

 しんどいこともあったけど、2016年の最初から最後まで推しのファンとして走ってこれてよかったなぁと思います。それもこれも推しが頑張ってくれたおかげで、千秋楽の次の日から顔合わせして演出つけて…とか、きっと大変だったんだろうなと思う。今も大変そうだけど。

 推しを、「すごいな」と思うことの多い1年だったように思います。私じゃ考えられないほど大きくて重たいことを、それ200くらいキャパないと無理だよって思うようなことを、やっちゃう。それも簡単にやってるわけじゃなくて、いっぱい試行錯誤して、きっとめちゃめちゃ悩んで、でも誰かのために、劇場で出会うお客さんのためにやってて。そうやって作られた舞台で、推しや他のキャストさんが汗かいてきらきら光をこぼしながら生きてる姿に、そうやってたくさんの人の心を動かしてる姿に、どれだけ救われたかわかりません。推しの観てきた1年分の景色が、どうかどうか素晴らしくて、すべての頑張りが報われるものであればいいな。

 

 来年も推しへの感謝を忘れず、その努力の結果をなるべく見逃さないよう、取りこぼさないよう、まっすぐ、追いかけていきたいなと思います。すでに3つ現場決まってるので、まずはそこを目指して! 自分のペースでとか言ってらんないし、推しのペースに合わせられるように、全力で走ろう。

 あと、推し以外だとロロの公演を観てみたいし、玉置さんもちょっとずつ追っていきたい。2月の孤島の鬼のチケットを取ってみたので、楽しみです。
 来年も頑張れますように。

 それでは皆様、よいお年を!

 

 

 

スペーストラベロイド 感想

WBB vol.11「スペーストラベロイド」

期間:12月3日~11日

劇場:赤坂RED/THEATER

あらすじ(公式サイトより):

時は2050年代の近未来。
いよいよ宇宙旅行の一般化が現実のものとなろうとしていた。
アンドロイドと行く宇宙旅行【スペーストラべロイド】
開業の一か月前、最終テスト飛行には乗組員四名と総責任者一名、
抽選で選ばれた新婚の夫婦とテレビ取材のクルー達が搭乗。
そのフライトには、見習い船長の昇格試験を始め、
宇宙旅行のPR、ハイジャックへの防犯訓練や故障時への対応訓練などが組み込まれていた。
だが、その詰め込み過ぎたミッションのせいでトラブルが発生。
それは徐々に大きなトラブルへと発展していく。
そしてとある乗組員のポケットには出発前のエンジン整備のときになぜか余ってしまったネジが入っていた・・・
時折ゆれる船体は訓練なのか故障なのか!?
嘘が嘘を呼び、勘違いが勘違いを呼ぶ宇宙船でのワンシチュエーションコメディ!!
彼らは無事に全行程を終え地球に帰ってこられるのか!? 

 

 

さて感想です。

いや火野さんかっこよすぎるだろうが~~~~~~!!!!

ごめんなさい!まずビジュアルの感想から入らせて!!推し演じる火野さんがまさかのツーブロで、ゲネプロ写真見てヒイイって声出しました!!!2016年も残り1ヶ月というところでいきなりワイルドさ出してくる推し、出来すぎじゃない??火野さんはツーブロで行きましょう!って言ったひと頼むから高級な蟹のしゃぶしゃぶとか食べてくれ~~~~~最高でしたありがとうございます~~~~~~~!!!!

毎度のことながら衣装も可愛かったです。ひとつも着崩してない玉地さんとは対照的にちょっとチャラい印象の八木沼は片方だけズボンの裾を折って太い銀のブレスレット嵌めてて、スクールカーストの高い男子って感じだった。火野さんは少し開けたツナギから覗くワイシャツが無地じゃないのがおしゃれだったし、足元は革靴だからきっとスーツ出勤してるんだろうなあって想像がふくらみました。かっこいいなあ。クルーの衣装がみんなオレンジのツナギだから、カーテンコールでWBBが並ぶと宇宙兄弟みたいだったな。

松金さんのスーツ姿も渋くてすてきでした。玉地さんの「スーツ姿めちゃめちゃイケてますね!」って完全に私たちの心の声だった、代弁してくれてた。細見大輔さんはどんだけかっこいい年のとり方をするんだ・・・随所にアドリブがんがん入れてくるから松金さんを観てるだけでもフフッて笑っちゃう。ああいう自分のポリシーの範囲内で自由に遊ぶ役、とてもハマるよなあ。

 

 

冒頭、宇宙船が発射する演出で始まるのがよかったなあ。音で客席が震えて、本当にいっしょに飛び立つみたいだった。場内アナウンスで「シートベルトをしっかり締め・・・」って言われるのも、開演前から楽しかった~!

暗転が明けて、わーわーと騒ぐクルー3人衆とそれを見る火野さんの温度差、それだけで関係性が窺えて面白かった。「ぼくが猟奇的な殺人犯だとして!」って言ってる八木沼たちへの火野さんの視線の向け方が好きでした。何やってんだ、みたいな呆れ顔。この最初のワンシーンだけで関係性とかそれぞれの大体の性格がわかって、お話に入りやすかった気がする。

この冒頭といえば、火野さんの「でも玉地さん。船長になってその先何があります?」だよね。最初はなにを言い出すんだ・・・と思ったけど、2回目からは響き方が変わってくる。「この広大で神秘に満ちた宇宙を相手に、あなたはただの運転手でしかない。でしょ? そんなの宇宙である意味がない。僕は開発者でありたいですね」っていう台詞、船長昇格試験を迎える玉地さん相手にキツすぎでは?と思うんだけど、開発部を追い出されて自分の生み出した技術を奪われて宇宙船のクルーっていう役職を無理やり押しつけられたっていう火野さんのバックグラウンドを知ると悲しくなってくる。この台詞、自分にも向けてるんじゃないかな。

このあと、松金さんに絡まれて「船長だろうが何だろうが所詮はこの船の乗組員。僕からしてみれば何ら大差はありませんから」って刺々しく返すのも、自分のクルーっていう立場を心底嫌がってるからなんだよなあ。それでも仕事はきっちりこなすのが火野さんの真面目さだなあと思います。

 

この作品の肝といえば、超高性能アンドロイド「メイサ」を壊してしまった八木沼が友達を代役に立てたことを発端に、勘違いと嘘が飛び交う点。誰が誰をメイサだと思い込んでるのか、今は誰がどんな意図をもってこの行動をしているのか、それらがごちゃごちゃにならないのがすごいなって思う。一度に複数の事柄が動くのに混乱しなかった。

海野さんにメイサは「国籍がない」って勘違いされて「国際秘密警察なんです」って咄嗟に嘘をついた八木沼に「おい~~~嘘が過ぎるぞ~~~」ってもたれかかるメイサが可愛かったな。このコンビが可愛すぎて、まとめてアクリルキーホルダーにして物販で売ってほしかった。ラストシーンでもシンメトリーで腕組んでちょっとかっこいい感じに佇んでるのが笑ってしまったなあ。メイサ、確かに見た目はインパクト抜群なんだけど観てるうちにどんどん可愛く思えてきてしまって、あの舞台のマスコットキャラクターみたいだった。時折見せる哀愁漂う表情が好きだったな。八木沼はまくし立てるシーンが多いのにぜんぜん噛まないし間違えないのが単純にびっくりした。個人的に好きなのは日菜子にタブレットを勧めるときの「それはそれはもーー感動するんです!」の「もーー」の上がり具合です。

なんでも信じ込んじゃう海野さんって相当アホなんだけど、その頭のゆるさをふわふわっとした笑顔と身振り、喋り方で完璧に演じていた篠田諒くんハタチ、おそろしかったな。玉地さんをメイサだと勘違いしてたびたび話しかけるんだけど、反応を返されるとめちゃめちゃ嬉しそうに笑うのときめきが止まらなかった・・・かわいい・・・。

海野さんといえば、いっしょに行動してる天達さんがしっかりしててその対比もよかったなー。天達さんは冷静沈着だし基本的にツッコミだけど面白い番組作りのために真剣すぎて火野さんがハイジャックを起こしたことにも気づかない、それどころか「あなたなら指でもイケる!!」って拳銃を奪って指鉄砲を促しちゃう。宇宙への憧れを語る玉地さんをまぶしそうに笑ってたけど、この人も「好き」を仕事にしてるひとなんだなあって伝わってきた。最後のシーンでいちばん初めに「いやあこれがぜんぶ訓練だったなんて!」って言い出すのも天達さんだし、やさしいひとなんだよなあ。

天達さん然り、厳しい顔が多いのにシステムのことになると目を輝かす火野さん然り、自分の仕事に愛を持ってるひとが多いのがこの作品だなあと思う。そのなかでも、玉地さんはあの宇宙について語るシーンがやっぱり印象的だった。

宇宙飛行士になったきっかけを天達さんに聞かれて「だって、宇宙ってすごいじゃないですか!」って、ほんとうに少年みたいに目をきらきらさせて語りだす玉地さん、熱が凄まじくて毎回あてられてしまったなあ。好きとか憧れのパワーは強くて、目の当たりにするだけでびりびり心が震える。初回は気づいたら涙が出てきて、自分でもびっくりした。宇宙はどこまで研究を進めても掴めなくて、無限に続いていて、その圧倒的な「わからない」が魅力なんだろうなあ。未知に惹かれる気持ち、とてもわかる。大好きなシーンです。

 

シーン繋がりで、回替わりシーンの話をしておく。

Wサイドでアドリブシーンがあることにびっくりしたし、レッドシアターでの客席降りにもびっくりした。土田さんと黒子さんが頑張ってました。

面白いことをできれば加速、つまらなければ失速っていうシンプルなルールと、「面白いこと関係ないじゃん!!」ってガチで嫌そうな顔をする土田さん、土田さんの代わりに「大丈夫です!」って答えちゃう黒子の花塚くん、ノリノリの八木沼と天達さんと海野さんと日菜子と嘉月くん、そしてその様子を厳しい顔で静かに見ているメイサっていうシュールな空間が面白すぎた。

途中から土田さんと黒子さんがコントするようになったんだけど、そのクオリティが高くて毎回笑ってしまったなあ。観客もおそらくキャストさんもどきどきしてて、なんだか一体感のあるシーンだった。加速で終わるとやっぱり嬉しいんだよね。ガッツポーズして帰ってく土田さん、よかったなあ。失速しても面白くはあるんだけど。

2回目までは八木沼がお題を出すんだけど、3回目になると突然「あたしに任せな!!」って日菜子様が出てくるのほんと好きだった!!「しっかりしなよ男子!!」って啖呵切る日菜子様最高だった・・・かっこよすぎる・・・。

 

日菜子と嘉月くんのカップル、しんどいと可愛いの宝庫でした。

嘉月くんって本当に鬱陶しいし空気読めないしイライラするんだけど動きの面白さとチャーミングさで憎めないんだよね! 私のナンバーワン嘉月くんは「でもじゃなくて行ってきて!」って日菜子に言われた直後の「うん!!!」です。悩む素振りがマジの一瞬で、そこからのあの満面の笑みがうざかったなあ(褒めてる)。

日菜子のイライラが伝染して前半めちゃめちゃしんどいんだけど、凄まじいキレっぷりに清々しくもなる。可愛い見た目で全身つかって思い切りキレるし、でも言葉に生々しさがないからきちんと笑えるのが救われました。細かいエピソードがあったり嘉月くんが本物のクズだったらもっとしんどかったんだろうなあ。話がズレるけど、もし日菜子と嘉月くんを根本宗子さんが書いてたらぜったい観ながら心折れたと思う。

マリッジブルー爆発させてすれ違いまくってたふたりだけど、嘉月くんが日菜子を守るシーンはぐっときたなあ。火野さんは日菜子をメイサだと思い込んでるからすっごい顔してたけど(あの顔好きです)、あれは訓練じゃなくてハイジャックなんだって言われた嘉月くんがとてもやさしい声で「ね」って囁くのがずるかった。カッコ悪いけど、情けないけど、日菜子が大切で好きでしょうがないんだなあって伝わってきて、そりゃあ離れられないよねって思った。最後、日菜子から嘉月くんの手を握るのがすてきでした。

 

さて。火野さんの話をします。

火野さんは真面目で、堅物で、自分にも他人にも厳しくて、自分の技術に自信を持っていて、宇宙が大好きで、純粋でまっすぐなひとなんだと思います。

「これ犯罪だぞ、火野の人生が終わっちゃうんだぞ!」って玉地さんに言われて「僕の人生なんてもう終わってるんですよ」って答えてるように、火野さんにとって技術開発はすべてだったんだろうなあ。それを、技術だけじゃなくて研究の場まで奪われて、不本意な役職を押し付けられて、周りは能天気だったり船長になりたくて必死なクルーばかりで。悔しかっただろうな、ほんとうに。

復讐に燃えて、拳銃を宇宙船に持ち込んで、ハイジャックを起こして。まぁそれは防犯訓練だと思われて面白いことになっちゃうんだけど。ぴしっと背筋の伸びた印象の火野さんが「なんでそうなっちゃうのよー!」「見てないじゃああん!」って崩れてくのはだいぶ好きだったけど。意味わかんねえって顔で勢いに押されて指鉄砲構えるところとか可愛すぎたけど。

「僕はただ、この宇宙史に・・・宇宙開発の歴史に名前を残したかった。それだけでよかったんだ」って吐き出すみたいに言う切実な声が苦しくて、自分の人生はもう終わってるって笑うのが悲しくて、なんでこのひとは守られないんだろうって客席でずっと思ってた。玉地さんに「火野だって純粋に宇宙が好きだったはずだろ」って説得されて、お前なら宇宙の端にだって行けるよって希望をぶつけられて、顔をぐしゃぐしゃに歪めながらゆっくりと銃を握る右手を下ろしていく火野さんは、どんな気持ちだったんだろう。今までの技術を奪われたらこれからもっとすごい技術を作ればいいじゃねーかって玉地さんは結構めちゃくちゃなこと言ってるんだけど、それが綺麗事にならないのは心の底から生み出された言葉だからで、それを火野さんもわかってて、信じたいって少しは思ったんじゃないかな。でもここで火野さんがあっさり心変わりしないからこのお話は面白くて、私たちもしらけずに済むんだなって思います。

ハイジャックの最中で船が揺れて、「今のは確実にエンジントラブルだ、それも致命的なね!」って松金さんに向かって吠える火野さんがおしまいを受け入れてて、それがとてもつらかったな。エンジンを作った張本人だからって直すよう頼まれて、そりゃ火野さんも呆れるよね。だって自分の開発した技術ってだけじゃないんだよね、それは「奪われた技術」なんだよね。それにこんなかたちでまた触れろと言われるなんて、屈辱だよ。遠ざけて、許さなかったのはそっちだろって思うよ。「直すと思いますか」って言う火野さんが、ばかじゃないのかって顔で笑ってるのが、もう、ああここで笑うんだそういう表情を選ぶんだって心臓絞られそうになった。

さっき玉地さんに説得されてたときは泣きそうになってた目が、今度はまっすぐ松金さんを見つめて、「君も開発者ならこの条件は飲むべきだ。自分の技術にプライドを持て」って言葉を全身で受け止めるんだよなあ。一度は他人に奪われたものでも、そんな感情なんて殺して、自分の作ったものに不備が生じたなら直さなくちゃいけない。完璧に戻さなきゃいけない。それができるのは自分だけだから、自分の技術でひとを殺してはいけない。どこまでも残酷な正論を、松金さんは自分の命さえ条件に加えて「プライド」って言葉で火野さんの前に提示するんだよね。

軌道を大きく逸れた船体がスペースデブリにぶつかりそうだって話を八木沼から聞いて、選択を迫られた火野さんが、じっと宇宙を見つめる心の内側はわからないけど。会社の不正を証言するために回されたカメラを寸でのところで無理やり下ろして、「時間がないんです、後にしてください!」って叫んでそれから大きく息を吐く火野さんは、感情よりもプライドを取ったんだなあ。カメラを下ろす間際の、歩き出すその一瞬の、決意の表情が死ぬほどかっこよくて、苦しかった。奪われたものを取り返そうって必死で、ハイジャックを起こしても結局火野さんは誰からも何も奪わず、むしろみんなを守ったんだよなあ。でも、それでよかったんだろうな。火野さんの、一度終わってしまった技術開発者としての人生は、あのときまた始まったんだって思いたい。

きっと他のクルーを煙たがる、というか「お前らそれでいいのかよ」って思ってただろうに、エンジンを直して戻ってきて、「これは私個人がやったことで、ここのクルーには何も関係ありません」って頭を下げるのが火野さんの真摯さだよなあと思う。最後まで芯が通ってる。この人がこういう人だから、こんなに愛おしいんだろうな。火野さんはたぶん唯一、一人称が「僕」「俺」「私」って場面によってばらけてる役で、それが尚更感情の揺れを表してていいなって思った。そこに生きてるんだって思うからこそ、観客の心を引き寄せて離さない。

最後、月から地球が出てくる場面を見ながら、火野さんがおだやかな顔をしていて、ああよかった、ってシンプルにそう思ってしまった。火野さんの目に映る宇宙が、憧れたときとそのまま同じに、きれいなものでありますようにって願った。あのひと、幸せにならなきゃだめだよ、ほんとに。なんでここまで感情移入っていうか思い入れ強くなっちゃってるのか自分でもわけわからないけど。

火野さんが大好きでした。大好きです、これからも。

 

 

笑って、泣いて、また笑って、感情が忙しい宇宙旅行でした!

とても楽しい9日間だったなあ。やっぱりレッドシアターが好きだな、と再認識もしました。どこからでも観やすいし。こぢんまりしてて落ち着く。

年末(と言うにはまだ早いけど)にこんなにすてきな舞台に出会えて、幸せだった!またひとつ、推しのお芝居を好きになりました!最高!推しを火野さんにキャスティングしてくれたひとありがとうございます!五体投地

来年のWBBも楽しみです。回替わり特典で配られたカレンダーを眺めながら待とうと思います。

 

 

推しが好きって話

 

 雪ですね。11月って秋だと思ってたけどこのご時世もう冬なんですかね。

 寒いのでおうちに引きこもって推しの過去作品DVDをつらつら見ていたら「あ~好き~!」が募りすぎてしまって、そんなタイミングでこちらのエントリに出会ったので、真似っこしてみたいと思います。

 

yn9m2.hateblo.jp

plus14.hateblo.jp

 

 項目など参考にさせてもらいました! いつも楽しく拝読してます。。

 

 

1.推しの基礎プロフィール

 1979年1月22日生まれの水瓶座O型、175センチ細身!

 毎年恒例のお誕生日イベントが来年は1月18日~22日にザムザ阿佐谷で開催されます!!10回記念のショーもやっちゃったり崎山くんや有澤くんといった人気若手俳優も来ちゃったり、どうなるのかわからなすぎて刺激的かつフレンドリーなイベント!!皆様ぜひ!!!!!!

 推しはこのイベント期間中のお誕生日で38歳になるのですが、見た目と服装が完全にアラフォーじゃないです。若手俳優の括りには絶対入らないけど、28歳くらいに思ってる節はある・・・きちんと大人だし、しっかり物事を見据えてるひとだなあとも思ってますが。私より一回り以上年齢が上なので、友達に推しの年齢を言うと「???」みたいな顔されます。顔を見せると「20代じゃないの!?」って言われます。アンチエイジング恐ろしいですね。

 事務所はラ・セッテ。世界でいちばん好きな事務所です!!好きって言えるほど知ってる事務所もラ・セッテくらいしかないしそんなに詳しいわけじゃないけど!!友達に「津田寛治さんと同じ事務所」と言うと高確率でびっくりされます。忘年会したり、所属俳優さんのお誕生日をお祝いしたり、仲良しであったかいなぁと思います。あとホームページがかっこいい。ブログ更新が楽しみで毎日チェックしちゃいます。

 一人称は「俺」だけどSNSだと「私」になったりたまに「僕」が出てきたり・・・巻き舌気味なので「おれはぁ」って言ったときの「れ」がなんかチャラくて好きです。

 基礎プロフィールかって聞かれると微妙なところだけど、カラオケの十八番は「夜空ノムコウ」!! イベントとかで歌わなきゃいけない場面だとたいていこの曲、なのかなあ? 私は2回だけ生で聴きました。初めて聴いたのは去年末の「さよならブレーメン」のゲスト出演時で、最前ゼロズレだったので戸惑いました・・・音程はふわふわしてたけど声が好きなので嬉しかったな。

 

 

2.推しの容姿

 銀河系でいちばんかっこいいですよね?????

 目は離れててぎょろっと大きい、くっきり二重、鷲鼻、色白でくちびるは薄くて、愛嬌があるから可愛いけど無表情だとめちゃめちゃきれい。悪人面も王子様めいた微笑も似合う。お芝居を売りにしてる役者さんに「顔がかっこいい」って言うのはどうなんだろう・・・と思ってた時期もありますが、かっこいいんだから仕方ないよね!?この世の真理!!!推しの顔がほんとうにほんとうにかっこよくて好きです!!!!!

 もともと小池徹平くんとか二宮和也くんみたいな犬顔が好きだったんだけど、推しを好きになってからは綺麗めのお顔に惹かれるようになった気がする。廣瀬智紀くんとか、佐藤永典くんとか、松田岳くんとか・・・。目の大きいひとが好きなのかなぁ。

 ビジュアルで言うと「冒険者たち」初演のときがかっこよすぎて意味わかんないなと思う。みんな大好きイカサマ、キャラクターもそうだけど、カーキのツナギに金髪にねずみの耳ってずるすぎる。黒髪もさわやかで好きだけど、明るめの髪色似合うから去年今年と見れてるのとっても嬉しいです。基本的にお顔の造形が好きなので髪型はどんなんでもいいのかもしれない。

 足が長くて細いのも好き。タイトなジーパン穿いてると細すぎて心配になってくる。折れそう。すらっと背が高くて舞台映えするよね、175センチって高いのかよくわかんないけどね。

 

 

3.推しの出演作

 基本的にオリジナル作品、ストレート、キャパは120~800。小劇場でもちょっと大きめの劇場でも観られるしチケットも頑張れば前方席とれるし、ファンとしてはとても恵まれた環境だなとしみじみ思います。

 お兄さんといっしょにやってるユニット・WBBの公演が年2回、と思いきや番外公演というものができて今年は3回公演を打ちました。WBBは若手俳優からベテラン俳優まで幅広い年代の役者さんがいっぱい出るし、エンタメ要素が強くて観やすいし、どんなときでもシンプルに楽しめる作品が主なのでもっともっと広まってほしいなぁと思うし、どんどん人気になると思ってます。定期的にやってくれるから嬉しい。推しサイドとお兄さんサイドで分かれてますが、前者は派手なアクションコメディ、後者は丁寧なワンシチュエーションコメディって感じです。推しは自分のサイドだと演出とか脚本に挑戦してくれるので毎回告知を楽しみにしてます、来年はどうなるかなぁ。

 リーダーを務めてる演劇ユニット・*pnish*も去年、今年と本公演を続けてくれてて嬉しい限りです・・・。今年で15周年ということでお誕生日イベント「ハピパニ」も開催されて、映像でしか見たことのなかったダンスやキャラクターを目の当たりにできました。次は20周年のときなのかなぁ。*pnish*でもからっと軽いどたばたコメディを主にやってる、と思うんだけど、去年は「魔王JR」でかなり重厚感のある2.5次元舞台を、今年はコメディ要素もあるけど男くさくて熱い「サムライモード」の再演を渋めにやってたので、方向性も変わってきてるのかなぁと思います。年齢を重ねていろんな作風をいろんな見せ方で提供してくれて、次はどんなものが展開されるのか楽しみです。*pnish*にいるときの推しはボケても拾ってくれるって安心感があるのかほかの現場より自由にのびのびしてる感じがして、なんだか私もほっとします。メンバーもお芝居上手くてやさしくて面白いし、知るたび*pnish*を好きになる・・・。

 今まで演じた役でいちばん好きなのは「アヤカシ奇譚」の安曇優くんで、これに関しては前記事を参照していただきたい。特別です。あと「空飛ぶジョンと萬次郎」の次郎くんとか、「モンスターボックス」の遠藤とか・・・。何かしら陰を負ってる役が好きなのかも。生で観たっていうと、「リバースヒストリカ2016」の秀吉かなぁ。秀吉に関しては役が好きというか、演じてるときの表情が良すぎて胸が熱くなりました。

 好きな作品は「懲悪バスターズ」!推しが作演を務めたこともあって期待していたのだけど、それを大きく上回って楽しすぎて本気でびっくりした。ダンスありアクションありのど派手なステージで、それに加えて悪霊と人間の心の通いあいや「誰かを大切に思うこと」「知りたいと思うこと」っていうお話の底に流れるテーマがあったかくて。推しはロボット役だったんだけど、声発さないのにインパクト抜群だし観に来た友達に「ロボット役上手すぎじゃない!?」って言われたくらい本気ではまり役だった。ロボットがはまり役ってどういうことなのかわかんないけど。

 今年は舞台7本とイベント2本で特に多かった気がするけど、コンスタントにお仕事が詰まってて追っかけ甲斐があるなぁと思う。千秋楽の次の日に顔合わせとか休演日に撮影とかザラにあって本人は大変そうだけど・・・。毎年お誕生日イベントで1年を始められるし、幸福ですね。

 

 

4.推しの脚本・演出

 推しは役者さんだけど、脚本を書くし演出もする。今年は演出作品多かったなぁ。出演もしてたけど。

 推しの書く作品は、とてもやさしいなぁと思う。フィクションの中にすっと一筋だけリアルが混じってたりして、まるっと大団円!って感じではないんだけど。起承転結がはっきりしてて、思いっきり盛り上がるシーンがあったり、見てて置いていかれることがない。丁寧すぎて間延びするシーンもなくはない、と思ってたんだけど、最新の「懲悪バスターズ」はマジでそんなことなかった!!!ダンスとの組み合わせが相性よかったのかな!?天才だって何度も思った!!!!物語を書くときって自分の考えっていうか哲学がすごく表れるから、推しの脚本作品もっと観てみたいなーって思う。

 演出については語るの難しいんだけど、「今観てほしいのはここ!」ってわかりやすいな、とは思う。どこがメインなのかわかんないお芝居ってたまにあるけど、推しの作る舞台でそれは思ったことないなー。ザ・エンタメ!みたいな舞台の演出が多いから、また違った作風のものならそれに合わせた作り方をするんだろうけど。

 推しを見てて、やっぱり演出のお仕事をしたいのかなぁと思う。最近は舞台を作るのが楽しいって先日のトークライブでも言ってたし。私は推しのお芝居が好きだし役者さんとしての推しのファンだから、出演作品をいっぱい観たいなぁとも思っちゃうんだけど・・・。でも結局、推しがやりたいって思ったこととか正しいって選んだものが正解だから、それを応援するしかないんだよね。楽しい作品を作ろうって意識が人一倍高いところが!!好き!!!

 

 

5.推しの良いところ

・熱いところ

 さっきも書いたけど、楽しい作品を作ろうって意識がたぶんとても高くて、「後悔は絶対残るけど、それを少しでも減らせるように、やれることをやる」ってツイートしたり、ひとつでも上に前に進もうとするところ。仕込みとかバラシも手伝いたい、スタッフさんといっしょに舞台を作りたいって言うところも好き。

 「懲悪バスターズ」のアフタートークで土屋さんが語ってたけど、演出家なのに人手が足りないからって転換を手伝ったり他人の分まで苦労を背負い込もうとしたり、そういうとことん自分を追い込んじゃうところ、ストイックなところがすごく心配ですごく好きです。心配なんて不要なんだろうけど。頑張ることができる、ってとても強いと思います。

 

・周りへの感謝を忘れないところ

 先述したようにめちゃめちゃ頑張って作品を作るひとなんですけど、そうやって立った舞台のカーテンコールでは絶対にスタッフさんやキャストさん、観客への感謝を滔々と語るんですよね。自分が苦労したことなんて一言も言わない。演出した作品では特に、周りのひとに助けられました、ご迷惑おかけしました、って言うけど、そういう推しだから周りのひとも助けようって思うんだよ~っていつも泣きたくなる。驕らないしきちんと感謝を言葉にできる推しが誇らしいです。

 

・厳しいところ

 基本的にフレンドリーでにこにこしてていじられキャラな面もあるし今日WBB公式から上がった動画では「親しみやすいひと」ってお題でキャスト内1位になってたような推しなんですけど、立場によってはきちんと叱ったり注意できるのがかっこいいなーって思います。カメラ回ってても注意するしいきなりぶっこむからヒヤッとするときもあるけど。お客さんがお金を払って舞台を観てるって意識がちゃんとある推しだから、毎回安心してチケットを買えます。ありがたや。

 

・ファンを大切にしてくれるところ

 とりあえずD-roomに来てくれ!!!!!!以上!!!!!!!!!!

 

 

6.総括

 ぜんぜん紹介とかじゃないしただ私の思う推しについてをつらつら書いただけの記事になってしまったけど、なんていうか改めて推し最高だな!!!!!!って思いました!!!

 上手い役者さんもかっこいい役者さんもいっぱいいるけど、こんなに好きで1秒も見逃したくない役者さんはやっぱり推しだけなんだよなぁ。推しのファンでよかった~って毎回思う。お芝居もお顔も考え方も行動も話すことも、ぜんぶ好き。嫌いなところとか本気でひとつもないから、もはや「好きなところ:存在」なのかもしれない・・・・・・。

 ちなみに今後演じてほしい役柄は「役者」です。感情を爆発させる間際みたいな顔が抜群に好きなので、そういう熱を秘めた役とかやってほしい!でもどんな役でも嬉しいなぁ、どうしようもないクズみたいな役も見たい。そういう役のいる舞台に立ってる姿想像できないけど。

 日本は早く推しを人間国宝に指定してほしいです!!!!!おわり!!!!!!!!!!

 

 

安曇優くんに向けて

 

 私には、特別な男の子がいる。

 『アヤカシ奇譚』という舞台の主人公、安曇優くんだ。
 優くんはいつでもにかにかと笑っていて、ちょっとばかで、でもとびきりやさしくて、アヤカシハンターから逃げ回るアヤカシを助けてしまう男の子。自らを「アヤカシハンターハンターだ!」と名乗り、ピースを突き出す。
 そんな彼には夢がある。アヤカシと人間が共に生きられる世界を作ること。自分が半妖半人であることから、その愛の架け橋になるんだと信じてやまない。
 跳ねた茶髪と、赤いマフラー、白い服を着た優くんは、舞台という森を駆け回る。2009年の話だ。未来に生きる私は、画面を挟んで彼を見ている。
 優くん、あなたは幸せだっただろうか。

 


 優くんを取り巻くひとびとも個性豊かで、とてもクセが強い。
 若手アヤカシハンターの鏡くんは血気盛んで尖ってるし、その上司かつ天才ハンターである時雨さんは飄々としていてどこか掴めない。優くんを保護している座敷家の当主・童子は優しくも厳しく接してくれるけど、代々保持している「言霊」という秘宝については神経を過敏にさせている。
 そんな人間たちと相対する存在として鎮座するアヤカシ側は、最強のアヤカシ・阿修羅を筆頭に、その部下であるシバ、阿修羅の両腕と、見た目のインパクトも強い面子だ。
 そして優くんは、ハイエナという下級アヤカシに出会う。
 ハイエナは妖力も高くなく、目上の者に媚びへつらうことでなんとか生きているようなアヤカシだ。彼を鏡くんから助けるかたちで知り合った優くんは、少しずつ交流を深めていくこととなる。
 アヤカシも人間も守ろうと奔走する優くんは、ひょんなことから自分の出生の秘密を知ってしまう。アヤカシと人間の子どもだと思っていたその身は、言霊の霊力によって人工的に作られた産物だったのだ。
 動揺して逃げる優くんを助けたのはハイエナの言葉だった。なんとか持ち直してまたアヤカシハンターハンターとして立ち上がった優くんは、阿修羅の暴動を止めるため走り出す。
 物語はそして、優くんの悲しくてやさしい選択で幕を閉じる。友達を救うため、愛の架け橋になるため、きっといろんな理由で、優くんはその道を選んだ。でも何も言わない。ただいつものピースだけを残して、消えていく。彼らの前からも、私たちの前からも。
 優くんはもうどこにもいない。

 


 私がこのアヤカシ奇譚という作品をずっとずっと大切に特別に思っているのは、優くんに怒り続けてるからかもしれない。
 だって、こんなにずるい消え方ってない。一方的に決断して、みんなを守った気になっているのか。残された童子はどうするんだ、優くんを「家族だ」って言ってたのに。
 腹立たしくて、悲しくて、でもこういう選択をしてしまう優くんだからきっとこんなに愛おしくて、悔しい。
 優くんはアヤカシと人間が共存できる世界を何より望んでたから、その夢が叶ってよかったのだろう。この先、誰の「唯一」にもなれないとしても、心を通わせる相手を見つけられないとしても。
 でも、優くんはもうひとりじゃないのかな、とも思う。アヤカシでも人間でもない中途半端な存在として悩んでた優くんのアイデンティティーの確立方法は「アヤカシハンターハンター」を名乗ることだったけど、それもきちんと全うできてるとは言えなくて。ただ、これからはそんな心配はしなくていい。優くんはどこにもいないけど、きっとどこにでもいる。もう不安で寂しい気持ちになることはないのかな。どうだろう?

 


 いつかタイムマシンが開発されたら、私はぜったいに2009年1月25日に帰る。シアターサンモールで当日券を買って、優くんの最後の日に、優くんに会いに行く。どんなに遠くの席でも端っこでもいいから、一目会いたい。再演じゃなくて、あのときの優くんがいい。
 って言いつつも、もし万が一再演したら通っちゃうんだろうな。そうしたら、あの終わり方だけは変えないでほしいな。大嫌いで大好きなラストシーン。そらで台詞が言えるほど何回も何回も観た、優くんの最後。


 優くんは、幸せだろうか。
 笑ってピースする姿が、不幸そうには見えなかったけど。あの物語が終わったあと、優くんは幸せになれてるだろうか。フィクションの世界に尋ねても無駄なことはわかってるけど、それでも願わずにいられない。
 私は今日も、8年後のこの世界から、あのやさしい男の子を想っている。優くんの時がもう進まなくても、何度だって立ち返って会いに行こう。
 ずっとずっと、私の特別でいてほしい。