日々是好日

愛しかない

心霊探偵八雲 裁きの塔/10年目の石井刑事に寄せて

 

舞台版「心霊探偵八雲 裁きの塔」

期間:5月31日~6月11日(東京)、6月15日~6月18日(大阪/イベント含む)

劇場:品川プリンスホテル クラブeX、大阪ビジネスパーク円形ホール

あらすじ(公式サイトより)

大学内にそびえ立つ時計塔には、かねてから妙な噂があった―。
塔の最上部には大きな姿見が置かれている。
その鏡は、黄泉の国と通じていて、十二時にその鏡の前に立つと、
亡者と再会することができるのだという―。
ただ、その噂を確かめられた者はいない。
なぜなら、亡者との再会を果たした者は、黄泉の国に連れていかれるからだ―。
「時計塔の亡霊に、ぼくはあの作品を書かされたんです―。」
ある1冊の小説を巡り、運命の歯車が動き出す。
そんな中、大学内の時計塔で殺人事件が発生。
晴香が容疑者として捕らえられ、自供してしまう。
時計塔の亡霊とは……?小説に隠された秘密とは―?
そして、裁きを受けるのは誰なのか。八雲は真実を導きだせるのか―。

 

 

 さて。

 まず、演出がものすごくよかった。円形劇場ならではの、「その席からしか見えない風景」が散りばめられていて、どこに座っていても発見がある。ステージには段差が多くあって、それが時計塔をよく表しているなあと思いました。

 ANOTHR FILESシリーズといえば印象的なオープニングだと思うのですが、今回は赤いリボンを用いていて幻想的です。こちらのゲネプロ動画にも収められていました。

 

www.youtube.com

 

動画だとわかりにくいかもしれないけど、オープニングの最後で左目を隠す八雲の手に晴香ちゃんがそっと手を添えて、その上からまた八雲が手を重ねるのがいいんだよね・・・触れそうになった瞬間に照明が落ちるのも最高。ふたりの関係性が見てとれるオープニングで大好きです。

 出演者さんたちがたびたび言っているけど、今回は本当に「八雲と晴香の壮大なラブストーリー」です。最初から最後まで、ふたりのじれったくてなかなか前に進まないけどちょっとずつ縮まっていく距離にドキドキする。

 この物語性の高いオープニングから始まって、中盤にはこの作品の中心となる花苗を登場人物たちが一斉に指さしたり各々の腕時計を見つめるシーンが挟まれ、最後の最後ではがらんと空っぽになった舞台で花苗がそっと目を隠した瞬間に照明が落ちて物語も幕を閉じる、という一貫性のある演出がすてきでした。作品として完結していて気持ちいい。八雲の美しい世界観に、このパッケージングされた感じがしっくりくる。

 演じてる側は大変だと思うのですが、今回、「光る棒」を使って場面転換や時間移動をしていたのが面白かったなあ。シーンの数が多い印象だけど、それがぜんぶスムーズに頭のなかに入ってきたのはこの棒の演出のおかげだと思う。5本くらい?ある棒についてる電灯スイッチの切り替えと移動で「今からここを見てください」と指示されてる感じ。棒がドアや小道具の代わりにもなっていて、斬新でした。

 謎解きシーンでは、過去を再現するときは反時計回りにキャストさんが棒を持って移動したりその場でくるっと回したり、回想が終わって現在に戻すときは時計回りにしたりとこだわりを感じました。「時計塔」が舞台のこの作品で、秒針みたいな役割だったのかな。

 原作を読んだときに「これをどう舞台にするんだろう?」と疑問でしたが、とても観やすい演出になっていました。伊藤マサミさんは天才か??

 でも人間関係や事件の仕組みがわりと複雑なので、原作を読んでからのほうがわかりやすいのかもしれない。舞台を観てから読み直すのも楽しかったです。

 

 

■桜井樹の偽善

 章題がラノベのタイトルみたいになってしまった。

 原作と舞台でいちばん印象が変わったのが、水石亜飛夢くん演じる桜井樹でした。彼は、「時計塔の亡霊」という作品で新聞社の小説大賞を受賞する大学生です。けれど、それはとある事件をきっかけに時計塔から飛び降り自殺をした水原紀子という女学生の盗作だったということが後半で明らかになります。

 桜井くんは、心が弱く、控えめで、過去の事件に心を痛めて贖罪の気持ちからこの作品を世に出したのだと思っていました。でも、舞台を観て、水石くんが彼に表情や声やしぐさを与えたことで、原作者の神永先生がシナリオを再構築したことで、桜井くんへの評価は「自己肯定力が低く、でも自意識やプライドだけは高い、かわいそうな男の子」になりました。変化したというか、深まったという感じかなあ。

 まず、桜井くんはこの「時計塔の亡霊」という作品を発表して高く評価されるんですが、それに慣れてないんですよね。というのも、八雲に言わせてみれば桜井くんの普段書いてる作品は「冗長で文章が回りくどく、自意識がダダ漏れで、読むに堪えない作品」なので、今まで誰かに褒められた経験ってきっと皆無に等しい。それでも大学生になってまで小説を書き続け、定期的に文芸サークルの冊子に作品を発表してるということは少なくともものを書くのが好きなんだと思うのですが。

 で、桜井くんと犬猿の仲である西澤くんは「時計塔の亡霊」が大賞を取ったコンクールで最終審査まで残るような作品を書ける実力がある。しかも桜井くんが密かに想いを寄せていた花苗とはちょっと良い感じになってたらしいし(花苗にはまったくそんな気はなかったようだけど)。

 そんな劣等感に苛まれるに決まってる環境のなかで、「贖罪のため」なんて大義名分を振りかざして死んだ水原さんの作品を自分のものとして発表し、評価され、面と向かって「素晴らしかったです」なんて言われて、桜井くんは何を思ったのだろう。

 ちょっと気持ちよかったんじゃないかな、と私は思います。自意識がダダ漏れな文章を書く桜井くんは、きっと「伝えたいこと」はたくさんあって、でも技術は伴わなくて、プライドだけが育っちゃってるタイプだろうから。それがかりそめの評価で満たされて、きっと家族とか友人にも盛大にお祝いされて、引くに引けなくなっちゃったんじゃないかなあ。それが余計に彼の心を疲弊させて罪の意識でめちゃくちゃにしたんだろうけど。

 アフタートークで聞かせてくれたのですが、神永先生いわく、事件の発端となる3年前の交通事故のとき、親子を車ではねてしまって救急車を呼ぼうとした水原さんを先に止めたのは、西澤くんではなくて桜井くんだそうです。自己保身に走る、臆病で、それでもやさしいひとの皮を被りがたがる桜井くんは、偽善者だなあと思います。この作品において、親子をはねて水原さんを自殺に追い込み花苗を殺した西澤さんは「悪者」なんだろうけど、桜井くんこそいちばん裁きを求めてたんじゃないかなあ。

 桜井くん、舞台だと後半ずうっと泣いてるんですが、それが彼の弱さとやさしさを表してる気がします。かわいそう、って言葉を遣いたくなるひとです。桜井くんは開き直れないし、まあ事故の罪をなすりつけた先輩の顔と名前は忘れちゃったらしいけど(これめちゃめちゃ薄情で逆にすごいなと思う)罪の意識は抱えてて、だからちゃんと罰を受けることができてよかったねって思う。あの場で泣くのはずるいけど、そのずるさがまた桜井樹の要素のひとつなんだろうなあ。

 水石くんのお芝居は今回はじめて観たのですが、繊細でめんどくさくてずるい桜井くんをすごく丁寧に演じているなあと思いました。ほんとうに泣いてるからすごいし、精神的にめっちゃ疲れそう。アフタートークやカテコではふわふわしてて可愛かったです。

 

 

■信じるということ

 今回の舞台のテーマです。信じる。誰かを信じるということ、自分を信じるということ、誰かに信じられてるんだってことを信じるということ。言葉にすると簡単だけど、めちゃくちゃ難しい。

 劇中、殺人の容疑がかけられてしまった晴香をどう信じたらいいかわからず迷い、葛藤して感情をむき出しにする八雲が印象的でした。いつも落ち着いていて余裕を崩さない八雲なのに、今回は何度も何度も「僕は君のことを何も知らない」「ほんとうに君が殺したのか?」と立ち止まります。八雲と晴香がいっしょに過ごしてきた時間は濃いけれど、そのなかで好きなものや嫌いなもの、どんな友達がいるのか、どんな場所によく行くのかといった基本的な情報はなんにも知らなくて。知らないことに気づいて、信じるための根拠を見つけられない八雲がなんだか迷子みたいだなあと感じました。

 物的証拠もある、目撃者もいる、自供もしている(実際には晴香の言葉ではないのですが)。そんな圧倒的な「現実」を目の当たりにして、晴香だけじゃなくて自分ごと見失ってしまう。そんないつも通りじゃない八雲に、後藤刑事だけはいつも通りぶつかってくれて、そのシーンがとても好きでした。

 僕はあいつのことを何も知らない、信じれば裏切られるんです、と塞ぎ込む八雲の胸ぐらを掴んで無理やり立たせて、「俺はお前が今までその赤い目のせいでどれだけ嫌な思いをしてきたか知らねえ。晴香ちゃんのぜんぶも知らねえ。それでも俺は信じる。お前と晴香ちゃんの今を信じる」と叫ぶ後藤刑事は、ぐちゃぐちゃに絡まったものを引き裂く力があって、こういうひとだから八雲も信じることができたんだなあと思います。後藤刑事の前でだけは八雲が年相応の子どもらしさを見せることのできる関係性が好きです。

 知らないことが悲しくて、知りたいって願うこと、信じたいって思うことはもう愛なんだよなあ。八雲が晴香に「君を信じる。君も僕を信じられるか?」って言うシーンすごい良かった。「疑ったことなんてないよ」って返してくれる晴香だから、八雲も迷いを晴らすことができたんだろうなあ。あとこのとき後ろでちょっと気まずそうに背を向けて笑ってる後藤刑事かわいいです。

 ラストシーンで、「そんな君だから、信じることができた」って呟いた八雲が「え?どういうこと?」って晴香に聞き返されて花苗の霊をぱっと見てから「なんでもない!」って誤魔化すのも、ちょ~~~ときめいた。応援上映会だったら確実に「好きって言いなよ~~~!!!!」と絶叫してました。八雲が学生らしい青々しくて甘酸っぱいことしてるとにやにやします。

 ここから先、ちょっと脱線します。

 裏切られてもいいから信じたいって思えるひとに出会えること、幸せだなあってこの作品を観て痛感しました。私は役者さんのファンなので、そこを重ね合わせてしまうのですが。そもそも、役者とファンって、八雲と晴香が比にならないくらい「知らない」ばっかりなんですよね。立場とか関係性の違いはもちろんあるけど。同級生とかじゃないしいっしょに事件も解決してないし。趣味も、どんな友達がいるのかも、好きなものや嫌いなものも、なんにも知らない。知ってるけど、それは向こうが「見せてる」情報なだけで、知ってるって胸を張って言えることってとてもとても少なくて。だから不安になることもままあるんですけど、私の場合はいちばん好きな役者さんがこの作品に出演していて、ほんとうに毎回びっくりするくらいすてきなお芝居を観せてくれたので、それだけでいいなって思えました。なにも知らないかもしれないけど、今を信じるには、この目の前にいる事実だけで充分だなって。

 自分の推しだけじゃなく、大切なひとを信じるきっかけになる作品かなと思います。なんかいろいろあるけど、感情だけで信じてもいいんじゃないかな!?後藤刑事に「今を信じる!」って言われて救われたのはきっと八雲だけじゃないはずです。

 

 

■10年目の石井刑事に寄せて

 さて、推しこと佐野大樹さんが演じた石井刑事についてなのですが。

 以前にも記事を立てましたが、石井刑事は2008年の初演から6作品、唯一の皆勤キャストとして推しが演じています。

pn-rk.hatenablog.com

 推しにとっても、ファンにとっても特別な役。作品。この記事を書いたころはまだ知りませんでしたが、今回の「裁きの塔」が舞台八雲の最終章となります。ANOTHER FILESシリーズが久保田八雲とともに終わるそうなので、今後もしかしたら新シリーズとして始動する可能性もあるのかもしれませんが、少なくとも、推しの石井刑事はラストです。

 そんな今作、原作だと石井刑事は愛しの晴香ちゃんのために奮闘するものの、いまいち成果を得ることはできず、迷い、落ち込み、真琴さんに励まされて立ち上がっても肝心の捜査では特に何かすることもなく、むしろ八雲に西澤くんから目を離さないよう頼まれていたにも関わらずその暴走を許してしまうといった、なんとも情けなく切ない役回りです。八雲と晴香の信頼関係を目の当たりにするシーンなど、モノローグも苦しく綴られています。

 ですが、舞台版になると一転、再構築されたシナリオのなかでは、出番がめちゃめちゃ多く、おなじみの飛んだり転んだりと面白いシーンはすべて任され、原作ではあまり出てこない小野寺さんに「石井刑事の同期」という設定が付け足されたことで見せ場もできました。すごい。初日びっくりしすぎた。石井刑事役のひとのファン、めっちゃ楽しかったと思う!私だ!!!!

 後藤刑事とのやり取りはさすがの息の合い方でした。眠ってるところを石井刑事が揺り起こして怒った後藤刑事が押しつぶしてくるシーン、見ていた夢の舞台が日によって水族館だったり映画館だったりしたのは品川プリンスホテルという場所に配慮してたんだろうな・・・「いま俺の上にこう、マンタがな!!」「マンタ!?違います後藤刑事、これはトドです!!」ってやり取りめっちゃ笑いました。

 他にも、後藤刑事が窓ガラスを割って入ってくるシーンや、その直前の晴香がいる部屋の見張りを連れ出すシーンが面白かったです。見張りのお顔をいじるシリーズ、私は「そこのエキゾチックジャパンみたいな顔してるお前だ」がいちばん好きでした。「エキゾチックジャパン・・・?」と呟く石井刑事まで合わせて笑った。このシーン、見張りを代わった石井刑事が敬礼されてそれを返すときのちょっと口を尖らせたお顔がはちゃめちゃに可愛くて毎回震えました。台本のト書きに「石井 可愛い顔をする」って書いてあったのかな!?ここ絶対DVDで抜いててほしい。

 伝説の(?)「物的証拠がぁ~~!」と小野寺さんを連れ出すシーンは日に日に勢いが増していき、「お前正気か?」「・・・正気です!!!」と確認されたり堅物の小野寺さんですら笑ってしまうレベルまで到達したのもすごかったです。大阪ではどうなってしまうんだ。あのシーンの間の取り方とか、がーっと空気を持っていく感じとか、うまいなあって思います。演技のスキルとはまた違うんだろうけど、場のムードを自分のものにする力が強いんだろうな、と。それでも世界観を壊すわけじゃなく、あくまでスパイスや癒しになれるのが石井刑事の、推しのお芝居なんだなあ。それも、石井刑事に「面白いことをしている」という自覚がなく、演じる推しがひとつひとつを考え抜いて全力でやってるからなのかな。その真面目さ、まっすぐさがリンクしているというか。

 観客を笑わせてくれる石井刑事ですが、先述したとおり、真剣な見せ場もあります。OH-SEさん演じる小野寺さんとぶつかるシーン。ここほんとすごく好き。「そんなに自己主張する奴だったか?」と揶揄されるようなひとだった石井刑事、警察学校時代は自信がなくていつもおどおどしていた石井刑事が、そんなとき「まずは自分を信じることから始めよう」と言葉をくれた小野寺さんに面と向かって意見をする大事なシーンです。

 何を返されても懸命に言葉を重ねて、泣きそうな顔で、「小野寺さんはそんなひとじゃないはずです」と主張して。後藤刑事のことを詰られれば、いちばんの大声で「後藤刑事はボンクラではありません!」と声をあげる石井刑事は、大切なひとのために感情的になれるひとなんだよなあ。「お前は俺の何を知ってるんだ?」と冷たい目を向けられて、「何も知りません。でも、小野寺さんは、私にとって憧れなんです。後藤刑事と同じくらい」って返す声が毎回違っていて、石井刑事のやさしさとか、強さとか、震えとか、凛と揺るがない何かとか、いろんなものを受け取りました。

 警察という組織のルールに飲み込まれて変わってしまったように見えた小野寺さんを、石井刑事はそれでも信じようとして、警察学校時代にもらった言葉をきっと大事に抱えていて、真正面からぶつかっていったから、小野寺さんも心を動かされたんだろうなあ。小野寺さん、「警察っていうのは組織で動くものなんだよ」って石井刑事に叫びながら、自分にも言い聞かせてたのかな。何を信じればいいのか葛藤してたのは小野寺さんも同じなんだなあ。

 去っていく小野寺さんを顔をぐっしゃぐしゃに歪めながら見つめて、背中まるめて自分も立ち去る石井刑事がとても切なかった。だからこそ、謎解きが終わって真実を知った小野寺さんに石井刑事が「まずは自分を信じることから始めましょう!」ってかつての言葉を返せたこと、「後藤って刑事にもよろしく伝えておいてくれ」って少し笑って立ち去っていく小野寺さんに向けた表情が晴れやかだったことが嬉しかったです。お辞儀する間際の、くちびるをぎゅっと噛む石井刑事のお顔がめちゃめちゃ良いので観てください。

 小野寺さんとのやり取りが終わり、ほんとうにラストのシーン、八雲と後藤刑事が「一応礼を言っておきます」「気持ち悪いことすんじゃねえ!」って言い合ってるのを、しょうがないなあって顔をして、真琴さんと目見合わせてこっそり笑ってる石井刑事が大好きだったなあ! 舞台版だと八雲と晴香の関係性に焦点が当たってるから、原作にある真琴さん→石井刑事→晴香の矢印って見えにくいんだけど、パンフレットを読むと推しは「真琴さんは石井(俺)のことが好き」って認識で演じてることがわかるので最高。今回の真琴さんと石井刑事のシーンもとてもとても良かった・・・石井刑事の繊細さを包み込んで鼓舞してくれる真琴さんがすてきな女性すぎる。樋口さん演じる真琴さん、凛としていて声の響き方がきれいで好きです。今回の衣装がめちゃめちゃツボだった。

 

 この作品は全体的に重たいし登場人物たちもいろいろ抱えてるから観ててしんどい気持ちになったりもするんだけど、石井刑事や後藤刑事がいるからこそすっきりと劇場を出られる気がします。笑える場面、じーんと響かせる場面、そういう劇中での役割はもちろん、稽古場やアフタートークでのムード作りだったり、さまざまなところで推しがこの作品の中心にいることを知れました。

 10年目の石井刑事。私はそのすべてを観ているわけではないし、今回の石井刑事には出会ったばかりです。でも、その歩みがぜんぶ大切で、その積み重ねの先にある今作を観られたことが嬉しいなあって素直に思います。

 まだ大阪公演を控えているけれど、その5公演が終わったらほんとうにもう推しの演じる石井刑事には会えなくなるんだって、まだ実感が湧きません。そのとき、私は何を思うのか不思議だし、推しが何を思ってどんな風に言葉にしてくれるのか想像もつきません。でも、できれば、日々挑戦を続ける推しが、「やれることはやった」って清々しい気持ちになってくれたらいいなあと思います。

 やさしくて、やさしすぎるから迷って、八雲みたいに分析力や推理力に長けているわけでも冷静でいられるわけでもなく、後藤刑事みたいに感情だけで動けもせず腕っぷしも強くない、だけど転んでも転んでも立ち上がることができる、日々成長を重ねていける石井刑事。その役を、努力のひと・佐野大樹さんが演じたこと、演じ続けてきたことが、私はとてもとても誇らしいです。

 石井刑事が後藤刑事や小野寺さんに憧れているように、私も石井刑事のひたむきさに憧れています。この役に出会えてよかったって心の底から思ってます。

 

 

 大阪公演、イベントもあるのですが、20分くらいの短いお芝居もやってくれるようでとても楽しみです! 東京千秋楽のカーテンコール、一言挨拶で推しが「チケット代3000円です!!!」って高らかに宣伝しててめちゃめちゃ笑いました! こういうとこほんと好き!!!

 ラストのラストまで、しっかり、見届けてこようと思います。

 舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』、引き続き、大成功しますように!!!