日々是好日

死ぬまでハッピー!

SniTs vol.2/This is the greatest show!

SniTs vol.2

期間:4月20日~22日

劇場:ザムザ阿佐谷

 

 

 さて。

 気づけば、千秋楽からもう1週間以上経ってしまった。

 4月を迎え、社会人となった私は、日々の研修でへろへろになりながらSniTsさんと会える3日間を目指し、たくさんの力や光を浴びて、また現実と闘う毎日に戻っている。

 言葉にするのが難しいくらい、ただただそのパフォーマンスに圧倒されるショーだった。

 推しこと佐野大樹さんと、その相方・土屋佑壱さんのコンビ。期間限定ユニット、SniTs。その結成は1年前。

 1年前のSniTsのショーがすごくすごく楽しかったから、今回も相当期待して行ったのだけど、そんなハードル見えないみたいにひょいっと超えられて、びっくりしてしまった。ぽつぽつと記していこうと思う。わりとポエム。

 

 

 

 オープニングダンス、小学生コントを含む4本のコント、トーク、パントマイム、そこからのダンス、エンディングダンス。

 以上が今回の大体の構成だったわけだが、転換の最中に着替えも行ったり小学生コントは7割内容が毎回違っていたりと、ふたりの「リアルタイム」を追えるショーだったような気がする。

 

 かっこいいも可愛いも面白いも詰まったオープニング。ド頭からエンジン全開でばっきばきに踊ってくれたのも嬉しかったし、女子アイドルの曲でかわいいお顔を作る39歳男性ふたりにめろめろになった。推し、猫みたいだったな。でも途中でふざけるし、相方のぶりっこに引いた顔するし、そういう風に笑いを誘うところが好き。

 流行りの曲も含め、ジャンルばらばらにいっぱい、ぽんぽんスピーディに踊っていってくれるから、ずうっとわくわくしていた。その中でも、懲悪ダンスだけが変わらず残っていたことがまた、嬉しくて。あのステージに立つふたりは「恋塚さんとオーメン」ではないはずなのに、紫のジャケットやきんきらの靴や眼鏡、黒い衣装にサングラス、白塗りのお顔が見える気がして、なんだか泣きそうになった。私が推しと土屋さんを意識しだしたのはやっぱりあの作品だし、何があっても特別で、曲がかかればあのプレイハウスの空気を思い出す。オリエンタル劇場で聴いた最後の鐘の音を思い出す。その曲を、ダンスを、ふたりも大切にしてくれてるんだろうか。

 初日、推しを観るのがほんとうに久々で、少し緊張していた。いつもドキドキはしてるのだけど。ギャングアワー千秋楽でゲスト出演していたとはいえ、がっつり1時間も推しのパフォーマンスを観るのはD-room以来で。幕が上がって、推しがそこに現れて、ライトを浴びる横顔を見て、全体的にびしびしと直線で動くダンスに首と腰の曲線的なアクセントを見つけて、ゆびさきまで行き届いた熱を感じたら、ほろっと涙が出た。嬉しいとか、幸せとか、楽しいとか、そういうのぜんぶ引っ括めて、「私はこの人が好きなんだなあ」と気づいて泣いていた。

 こうやって、はっとする瞬間がある。好きなことが当たり前になってるわけじゃないけど、呼吸をするように「好きだ」と思ってしまうし、自分の構成要素の一部みたいになってるのは事実なんだろう。その中で、唐突に、自分のいちばんはこの人なのだと痛感するときがやってくる。誰かと比べて、とかそういうことじゃなくて、いちばんだし、唯一なんだと思う。こんな風に、落ちるみたいに好きという感情を突きつけられるひと、推し以外にいない。

 土屋さんがぱあっと笑顔を浮かべて踊ってる横できゅっと唇引き結んで真剣な表情してるのも、激しい振りをしながら目を思いっきり瞑って「頑張ってるよ」って顔するのも、可愛いお顔とバチバチに冷めたお顔を1曲の中で使い分けるのも、口角上げてえくぼ作って目を爛々と輝かせるのも、ぜんぶぜんぶ、踊りの型や身体表現だけじゃない推しのダンスの要素で、それを観るのが好きでたまらない。星屑を散らすみたいに踊るひとだなあ。

 きらきらの紙吹雪に降られながらとびっきりの笑顔を浮かべる推しを観て、このために生きてるなあ、と思ったりした。光なんだよなあ。きれいなもの、明るいものが似合うひとだし、私にとっては常に推しが主役だ。

 オープニングの時点でチケット倍額出したいのにまだまだまだまだ楽しい時間は続くから、SniTsさんはすごいんだよなあ!!!

 

 コントは4本。

 小学生コントの暴走っぷりが凄まじかった。あの距離で観るだいきくん、恐怖でしかない。お客さんみんな推しのこと好きなはずなのに、だいきくんが客席を見渡すとスッと視線を落としていくの意味わかんなくてめちゃめちゃ面白かった。目いってたもんね。でも、だいきくんのときの推しはすごく楽しそうではじけてるので、私はとても好きです。今回も無茶ぶりキングで最高でしたね。相手が土屋さん、ゆういちくんでよかった。だいきくんのこと本当に小学生だと認識してるし130センチくらいだと思ってるから(?)、近くまで来たときに肩幅が広かったり右耳にピアスホールがあったり喉仏が出ているのを見つけると、ドキッとしますね(???)

 あと、特筆したいのは最後の『騒』。コントなんだけどちょっと怖くて、でもやっぱりバリバリに笑えて。みんな、自分の推しが足首を鎖で繋がれてるところ見たこと、ある???? 私は初めて見たけど、最高すぎて震えました。土屋さんが黒幕かもって疑惑が出てきたときの「嘘だろ・・・」大好きだったなあ。高く上擦ったり、かすれたり、震えたり。明るくて光の似合う推しだけど、怒りや絶望といった負の感情を滲ませるのも天才的なんですよね~~!!! がちがちに役を固めているわけではないけど、その場の心の動きが見えてぞくっとした。一瞬で空気を掴んだり変えたりする推しのお芝居が好きです。最後ずっと「なんでやね~ん」「もうだめだあ~」って繰り返し言ってるの雑すぎてめちゃめちゃ笑いました!!

 

 今回いちばん印象強かったのが、パントマイム!

 鞄を重たそうに持ち上げたり、ホームラン打ったりボウリングしたり、海に行って水かけ合ったり、かと思えばビームや銃弾が飛び出したり死んじゃったり生き返ったり。確かな技術の高さが必要になると思うんだけど、そこにコメディ要素をふんだんに盛り込んでくるからあっさり笑いながら観られるのが気持ちよくて好き。推しも土屋さんも動きが大きくて表情もコミカルにわかりやすく作ってくれるから、無声でも伝わってくる情報が多くて面白かったなあ。推し、銃を構えるとき土屋さんに比べてにこにこしてるの可愛かった~。

 そしてひょんなことから手がくっついて離れなくなっちゃうふたり、に繋がっていって。ふたりが手を剥がそうと奮闘したり、それでも仕方なく過ごしていく中で絆を深めていく様子が愛おしかった。関係ないけど、割り箸を噛んで片手で引っ張ってぱきっと割る推しハチャメチャかっこよくて頭抱えそうになったな。

 そこから『This Is Me』に合わせて踊るふたりがきれいで、あまりにもまっすぐで、圧倒されるってこういうことなんだなあと思った。すごかった。オープニングのダンスとはまた違って、苦悩や葛藤や解放をテーマにしているのかなと感じる表情やゆびさきでの表現に息を呑んだ。声なんて聞こえないし言葉もないのに、ふたりの感情がエネルギーになって伝わってきて、肌を叩いて、心臓を直接掴まれたみたいな気持ちになった。

 曲の途中、手が離れて、白い光のなかで踊る推しが笑顔を浮かべていることに気づいた瞬間、鳥肌が立った。いつもの人懐っこい笑顔とは違う、開放感から思わず滲んでしまったみたいな、晴れやかな笑みで。抑圧していたものが解き放たれた瞬間を、こんな顔で踊るんだと思ったら、もうたまらなかった。何も考えられなくて、ただ目の前の熱を受け止めて抱きしめるだけで、その切迫した感じが心地よかった。感動ってこういうことなんだろうなと思う。心が動くって、理屈を挟めないってことなんだろう。

 

 エンディングまで、楽しくて楽しくて。にこにこ手拍子をしながら、推しの楽しそうな笑顔を見ながら、ステップのひとつひとつに焦がれながら、なんだか幸せだなあって思った。何回も、何回も思った。終わってほしくないから寂しいのに、とことん楽しく最後まで彩ってくれるから、いつもぜんぶの音楽が終了してふたりが袖に消えてからはっとしたものだ。本日は誠にありがとうございました、と声を張り上げて頭を下げる、推しの美しさや正しさに貫かれるエンディングだった。最初から最後までダンスで始まりダンスで締める、そのエンタメでパッケージングするところが本当に好き。1秒も余すことなく、あの時間は「ショー」だったんだよなあ。

 

 

 ふわふわと振り返ってしまったけれど。こうして書いてると、終わったんだなあ、なんて他人事みたいに思う。もう推しは次だったりもっと先に向けて、走り出しているのに。私も自分の生活を生きているのに。

 夢みたいなショーだった。私が推しを好きな事実とか、理由とか、意味とか、いろんなものを教えてもらえるような、思い出させてもらえるような。もう私の記憶の中にしかないはずのあの3日間は、それでも、宝物みたいに消えなくて、ずうっと支えになっていくのだろうと思う。

 本当に、本当に、楽しかった。そればっかりだった。どんなことをしたらみんな喜ぶんだろうって、シンプルにそれを考えてくれてることが伝わる、SniTsさんが好きだ。いつか3回目があるといいなあ。

 

 

 「SniTs vol.3初日、おめでとうございます!」と言える日が待ち遠しいです。

 どうか、実現しますように!